【サウナ女子の世界】第5回 仕事で行き詰まったらサウナでととのえ!? Wi-Fi&電源完備のノマドの味方サウナ / 荻窪・なごみの湯
再来週は高校からの友人の結婚式。二次会の動画作成を頼まれたはいいものの、さっぱり進んでいない。やばい~!
どっかのカフェでこもって作業しようかな…家だとどうしても誘惑が! TVが! ベッドが!……と考えていたところサウナ女子先輩からLINEが。先輩は「お茶しよ~☆」の代わりに「サウナ行こ~☆」と言ってくるサウナ狂だ。
「だめだー今仕事の企画書作成中なんだけど、企画のアイディアが浮かばない! 今どこいる? 意見聞きたい!」
「私もちょうど動画作成で行き詰まってて、どこかで作業しようとしてるところなんですよ。どこか集中できるところありますか?」
「あ、じゃあ荻窪のなごみの湯で仕事してるから、一緒に作業しようよ。電源も机もあって静かで集中できるし、なにより終わったらサウナに入れるよ‼︎」
「ちょ! それ言いたいだけじゃないですか……とりあえず行きます!」
荻窪駅を降りて商店街を抜ける。そこかしこから食べ物のいいニオイ……いや、食べるのはあと、まずは作業だ!
「なごみの湯」は、駅から徒歩3分ほどで、商店街のど真ん中にある。受付を済ませると館内の説明をされる。5階建てで地下もあるみたい。早速館内着に着替えて食堂に向かうと、そこにはげんなりした顔のサウナ女子パイセンが。
サウナ女子
「もうやだ…企画が全然降りてこないよう。なるはやでクライアントに出さなきゃいけないのに、プレッシャーきつい…」
珍しく弱音を吐くパイセン。とりあえずふたりでホットコーヒーを飲みながら抱えている案件について愚痴る。
サウナ女子
「まあ愚痴っても仕方ないし、やるぞー! 地下に電源のある作業スペースがあるから、そこに移動しよう!」
地下には沢山の漫画とクッション、リクライニングソファー。
それには目もくれずに電源のあるカウンター席へ。資格の勉強中らしき女性もいた。ありがたいことに、フリーWi-Fiも飛んでいる。
鬼の形相でパソコンに向かうパイセン。時たま空中を見つめたままフリーズしている。
あっと言う間に2時間が経過した時点で、気づくとパイセンがなんだかブツブツつぶやいている。
サウナ女子
「終わったらサウナ…終わったらマッサージ……終わったらビール……」
……し、集中集中!
私
「センパイ、結構今やる気スイッチ入ってきたんですけど、終電ヤバイです!」
サウナ女子
「よし、今日はここに泊まろう!」
私
「えっ、泊まれるんですか!特にホテルとか書いてなかったけど…」
サウナ女子
「なごみの湯は女性専用の休憩室があって、リクライニングシートを予約出来たりもするんだよ。終電逃したときとか、今日みたいに作業が立て込んだ時にもおすすめなの」
私
「明日は予定もないし、そうしましょう! 勢い大事!」
そのまま作業することさらに1時間。
サウナ女子
「うーん、疲れちゃってこれ以上やってもなんかいいアイディア出なそうだから、気分転換にサウナ行こう!」
ふたりともぐったりしたまま無言でサウナに入る。温度計は80度を指してるけど、場所によってはもう少し温度が低いところもあるかも。下の段に座っていると、酷使した目がじんわりとあったまっていく。ああ、肩凝ったな~。自分で肩をさすると、あったまった体にじんわりと効いてくる。
サウナ女子パイセンは最上段に腰掛け、また空中を見つめ、何かを考えこんでいるみたい。そっとしておこう。
今日はストレッチをしながらちょっと長めに10分入ってみた。疲れている時は、ゆったり過ごせる中温のサウナ室もいいのかも。今日は頭がオーバーヒートしそうだったから、頭から冷たい水をかぶってみようかな?ドキドキ…
水風呂に移動し、まずは体に水をかけ慣らしていく。そしてどんどん上へ。疲れやモヤモヤを浄化するように、水を頭から思い切ってかけてみる。
実はサウナって頭がいちばん熱くなるから、頭皮が冷える感覚が気持ちいい! まるでヘッドスパでメンソールのシャンプーを使われた時みたい。
そして全身で水風呂へ。最近は怖がることなくスムーズに入れるようになってきた。水風呂に入ると、さっきまで頭の中にあったごちゃごちゃしたものがスッキリしていくのを感じる。
サウナと水風呂を繰り返し、3セット目のサウナへ。
パイセンと二人で並んでいると、いきなりあっつあつのサウナストーブに天井から水が。
じゅわ~~~~~~っ
その音に反応するかのように突然
サウナ女子
「ひらめいちゃった!」
といっていなくなるパイセン。気になって後をつけると裸のまま脱衣所で何かを必死にメモしている。
サウナ女子
「いつもサウナの中でいいアイディア思い浮かぶから、メモ持ち歩いてるの!」
私
「へ、へえ~~(なんなんだろうこの人……)」
そして3回目のサウナと水風呂を終え、露天風呂コーナーにあるととのいベッドへ。色とりどりの花に囲まれながら、ぼんやりと動画の内容を振り返る。
作業は大変だったけど、友達の晴れ舞台、喜んでもらえるかな。そういえば高校の時文化祭で作業中に喧嘩したな~。お互いこだわりが強くて…今考えるといい思い出。あれ?動画のあの部分、もっとこんなエピソード入れると面白いんじゃ……?
筋肉が弛緩し、疲れがすべて洗い流されたせいか新しいアイディアがわいてきた。あっつくなってた頭を冷やしたのが良かったのかも。
隣に寝転ぶパイセンはいつものニヤニヤしたととのいではなく、空中の1点を見つめている。さてはこの人もまだ企画のこと考えてるな!
サウナ女子
「うん、やっぱりサウナすごい。完璧に脳内がクリーンになって、今まできづかなかった企画の粗とか見えちゃった。もうちょっとだけ作業していい?」
私
「私も動画の変えたい部分思いついたんで、仕上げします!」
作業すること30分。パイセンが満足げな顔で
サウナ女子
「よし終わったー!マッサージいこっか!」
なんとなごみの湯のマッサージ、深夜4:00までやっている!
ヘッドスパとボディマッサージを選択し、サウナ後の温まった体で至福の瞬間を迎える。
ヘッドスパがPC作業で疲れた頭を心地よく解きほぐしてくれる。
サウナ女子
「癒され度やばい!このままご飯食べよう! 幸せの掛け算しよう!」
二人ともふにゃふにゃの表情でエレベーターに乗り、レストランへ。
サウナ女子
「ぷっ、ぷはあ…ビール最高、この1杯のために仕事してる…。」
私
「ほっ、ほんとですね…全ての苦労がこのビールで…流れていく…しかしサウナのリフレッシュ効果すごいですね。正直行き詰ってたけど、サウナ後はすっきり作業できました!」
サウナ女子
「そうそう!水風呂で頭冷やすのが効いてる気がする。おばあちゃんも頭寒足熱って言ってたし! 作業だけじゃなく、なごみの湯は着衣のまま男女一緒に受けられるロウリュや岩盤浴も充実してるし、マンガ喫茶か? ってくらい漫画も豊富にあって1日ゆっくり過ごせるし、作業だけでなくカップルで利用するのもおすすめだよ~!」
私
「で、でたー!強引なまとめ!」
女性専用リクライニングで爆睡するパイセンの横で、私も彼氏とサウナにいってゴロゴロしたり一緒にしたいなあ……。でもサウナ室の中では男女別だし、サウナデートってどう楽しむんだろ?
サウナの本場フィンランドでは裸で男女混浴ってサウナ女子パイセンも言ってたけど、絶対無理だよね。でも高橋一生と二人っきりなら、ムフフ……と、妄想している間にサウナデートの事は忘れてしまった。
その時はまだ思ったよりも早く、サウナでムフフな展開になるとは知らずに……。
【今回のサウナ】
店名:なごみの湯
住所:東京都杉並区上荻1丁目10−10
営業時間:10:00(土日祝9:30、毎週月曜日は10:30 ※祝日等で変更の場合あり)~翌朝9:00 ※最終入館受付8:30
休館日:年中無休
石けん:シャンプー、リンス、ボディソープ、化粧落としあり
化粧水:クラシエ
ドライヤー:あり
ヘアアイロン:スタッフに頼むとストレートとカールが借りられる
執筆=サウナ女子 / イラスト=百村モモ (c)Pouch