「はい、あ~ん♪」の代行ロボット!? 豪州の研究チームによる「相手に食べ物を運ぶ(けどいやがってたらつき返す)ロボットアーム」
21世紀に入ってますます、ロボットがめざましい進化を遂げています。
オーストラリアの国立大学「ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)」の研究チーム「Exertion Games Lab」がこのたび開発したのは、食事を楽しくするロボットアーム『アーマダイン(Arm-a-Dine)』。
なんと、いっしょに食事をしている相手に食べ物を「あ~ん」と食べさせるというものです。
ベストと1本のアームからなるこの装置、ユーザーが着用すると、ちょうど胃のあたりからにょきっと手が生えているような状態に。
このアームが、目の前に置かれた食べ物を相手に食べさせてくれる……といったシステムです。つまりは恋人同士がやる「はい、あ~ん♪」をロボットが代わりにやってくれる、といった感じでしょうか。って、いったい何のために?
【相手が喜べば相手に、イヤそうなら自分に「あ~ん」】
この装置の大きなポイントは、アームが相手の表情を読み取って動くという点。顔認識システムにより、相手がその食べ物を食べたいと思っているかどうかをしっかり判別、それによって「あ~ん」の動きを変えるのです。
『アーマダイン』で「あ~ん」された相手が、うれしそうな表情をうかべている、つまりその食べ物をほしいと思っていると判断すると、そのまま相手のお口に。
相手が嫌がっているようなネガティブな表情を浮かべた、つまりほしくなさそうな場合は、なんと「喜んでもらえませんでした残念、ご自分でどうぞ」とばかりにユーザー自身に「あ~ん」しちゃうんです。
ちなみに相手があいまいな表情を浮かべている場合は、 “どっちつかず” な動きを見せるそう。
これ、仲のいいふたりで使ったら、けっこう盛り上がるんじゃないかしら……!
【パーティーで使うと盛り上がるかも?】
このロボットアームを開発した目的は、「人間と食事」「人間のつきあいと食事」の関わりを探ること。また、ロボットの技術が食品の業界では「作ること」にばかり集中していて、「食べる現場」にほぼ見られない、なのでそのあたりの可能性を探ることも開発の理由なのだとか。
この装置の実験に参加したユーザーは、「ただ座ってお互いが食事をするのと違って、パートナーとものすごく関わる感じ」「パーティーのゲームなんかにぴったり。新しい友達を作ったりできそう」といった感想を述べています。
『アーマダイン』のテーマは、「AR(拡張現実)」ならぬ「AE(Augmented Eating/拡張お食事)」。ロボットと人との関わりといった難解なテーマを遊び心満載で実験してみるこの研究チーム、これからもいろんなおもしろ実験装置を生み出してくれそうですね。
参照元:YouTube、Exertion Games Lab
執筆=田端あんじ (c)Pouch