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ひとりでもボウリングを楽しめるのか本気で調査 / 自撮りしながらボウリングする女にサラリーマンの冷たい視線が突き刺さる…!

   


毎月1のつく日(1日、11日、21日だけ)は「ステキなぼっちの日」。Pouch編集部の担当ライターが、ぼっちの限界に挑み、ぼっちでも楽しく過ごせるかどうかを検証。真面目に、そして赤裸々にお届けしている連載シリーズです。

前回は食欲の秋ということで、編集者・御花畑マリコが「スイーツビュッフェ」を紹介しました。

食欲の次は、やっぱりスポーツの秋ですね。ひとりのスポーツといえば……と、ネタを考えていたら、子どもの頃の記憶が蘇りました。ボウリングは祖父が大好きなスポーツで、お正月に親戚が集まると近所のボウリング場でボウリング大会をしていたのです。

ある年、祖父は「ストライクか、スペアを取った子にお年玉をあげる」というイベントを設けました。ビッグな新春ボーナスに孫たちは色めき立ちました。小さな子も、両手で転がせばお年玉をゲットできます。おかげで、この年のボウリング大会は大盛り上がりでした。

そんなボウリング大会も、祖父が亡くなってからは開催されることもなく、私もボウリング場から自然と足が遠のいていました。

よっしゃひとりでボウリングに行ってみよう!

【池袋「ラウンドワン」へ】


というわけで「ラウンドワン」池袋店へ来ました。「ラウンドワン」というと、大学生のグループなんかが利用しているイメージがあるので、ぼっちが楽しめるのかちょっとドキドキです。

ここは24時間営業で、場内が広くてキレイ。ビルの中は数フロアに分かれ、ボウリング以外にもダーツやゲーム、UFOキャッチャーなどがあります。

【受付を済ませて自分のレーンに向かう】

ゲームのにぎやかな音をバックに、受付を済ませます。とりあえず今回は2ゲームだけ。

そして、貸し靴(370円)で自分のサイズの靴を借ります。なにしろ15年ぶりなので、すべてが物珍しく感じられます。

驚いたのはドリンクバー(通常料金290円)があること。カラオケボックスか、ファミレスみたいですよね! リストバンドをしている間はドリンクバーが使えるという仕組みです。

エレベーターに乗って指定されたレーンに向かうのですが、ここでもドキドキ。いわゆるウェイな人たちの横だったらどうしよう……!「ひとりでボウリングしてんの? まじウケるんだけど」とか言われたら、ボウリングの球ごと爆発したくなりそうです

フロアに着くと、すぐにスタッフが迎えに来てレーンまで案内してくれたのですが、私のレーンは静かな男女と、おだやかそうな男性たちの間。明るすぎるウェイなグループはいなくて、かなりホッとしました。

他にもわからないことがあったり、不安そうにウロウロしていると、スタッフのお兄さんがすぐ声をかけてくれます。ぼっちボウラーとしては、かなり安心できるポイントでした。ラウンドワン、ぼっちにも優しい……!

【ボウリングには集中力が必要】

靴を履いてボールを選び、設定をしたら、いよいよ投げます。しかし自分ひとりしかいないので、投げながら自撮りをします。

シャッターがリモコンなので楽勝だろうと思っていたのですが意外に難しく、不本意なガターを連発。本当はもっとうまいはずなのにー!

けれども投げることに集中すると、今度は写真がうまく撮れなくて、ストライクやスペアを取ったのに、証拠が残っていないのです。くやしいー!

ガターもひとり、ストライクを取ってもひとり。画面に出てくる、ゴールデンボンバーのメンバーだけが明るく励ましたり、ほめたりしてくれます。

【人の目が気になり集中できない】

うまくいかない自撮りに苦戦していると、いつのまにか隣のレーンは静かな男女から、スーツ姿の男性2人組に入れ替わっていました。

そのうちのひとりは「この人、なんでこんな熱心に自撮りしてんの?」「フォームチェック……にしては上手くないし」と言わんばかり。明らかに不審な面持ちです。私の妄想かもしれませんが、この瞬間が、最大の孤独な山場でした。

心が削られて瀕死の私の元へ、スタッフのお兄さんが登場。投げるところを撮影してくれるというのです。助かった! やっとボウリングに集中できる!

しかし撮影された画像を見てみると、かなり遠慮がちに投げているように見えます。やはり、ぼっちのボウリングは萎縮するようです。

【イベントタイムに右往左往】

ゲームが半分くらい過ぎたところで、スタッフがレーン内に登場。説明の途中で照明が暗くなり、スペーシーな宇宙的空間になりました。どうやらイベントタイムが始まるようです。

けれども説明をよく聞いていなかった私は、何をしたらいいのかわからずオロオロ。とにかくボールを投げればいいらしい! ということに気づいて、私も急いで準備。スタッフの合図と共に、一斉にボールを投げました。

ピンは9本倒れ、照明は元の明るさに戻りました。「惜しかったな」と思っていると、スタッフがハワイアン調のレイと、フォトプロップスを手渡してくれました。説明を聞くと、どうやら私は「プリクラ1枚無料で撮れるメダル」をゲットしたようです。おじいちゃん、やったよ!

【他人を忘れて楽しもう】

イベントが終わり、何本か投げていくうちにコツをつかむと、ボウリングは楽しくなってきます。私は調子よく、次々にボールを投げました。ぼっちの時は果てしなく投げ続けてしまうので喉が乾きます。ドリンクバーがあるのは、とてもありがたかったです。

やがて私のレーンの隣に、男性のおひとり様が登場。マイボールとマイシューズを持ってきていて、上級者であることが伺えます。きっとフォームもきれいなんだろうなあ、と思いつつ見ていると、その男性は両手でボールを持つと低い位置に構え、勢いをつけて砲丸投げのように力いっぱいぶん投げているではありませんか。

あまりにも独創的な投球フォームだったため、私の目は釘づけに。しかし、そんなオリジナリティがあふれる投げ方にもかかわらず、ボールは勢いよく転がって、ピンを弾き飛ばし、男性はストライクを取りました。

その後も、何度もストライクやターキー(2回連続でストライク)を連発。みるみるうちに高スコアをマークしています。こんな独特な投球スタイルで……と、しばらく見ていた私ですが、そこで、はたと気がつきました。

スコアがよければ、投球フォームなんて、なんでもアリじゃない? ボウリングは楽しく投げればいいんじゃない? 私は清々しい気持ちに包まれ、もっともっと自由にやってやろう、と思いました。

そして、もう1ゲーム追加し、楽しくゴロゴロとボールを投げまくって3ゲームをこなし、スッキリした気持ちで家に帰りました。

ボウリングは明るくて華やかで、景気がよく、時間を忘れて遊んでしまう竜宮城みたいなスポット。仕事で煮詰まっていたり、くよくよ考え込んでしまう、という方は、ぜひボウリングをやってみてください。考え事のループをリセットできますよ!

・ボウリング
ぼっち度:★★★★
ストイック度:★★★★★★
すっきり度:★★★★★★★★★★★★★★

参考リンク=ラウンドワン
執筆はちやまみどり (c)Pouch

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