分量の説明ナシ! 滝沢カレンの「カレンの台所」を見ながら生姜焼きを作ってみたら…ラビリンスな世界が見えてきた
モデル・タレントとして活躍中の滝沢カレンさん。彼女のinstagramで紹介されている、まるで物語のような独特の表現のレシピが「カレンの台所」という1冊の本になりました!
「お醤油を全員に気づかれるくらいの量」
「にんにくと生姜はアクセサリーをつけるぐらいの気持ちで」
「どの葉がいちばん男として強いかを、見定めていきます」
などなど、独特だけど「何となく分かる……!」となる表現が盛りだくさん。今日はこの「カレンの台所」のレシピを参考にしながら「意外にも経験豊富な豚の生姜焼き」を作ってみたいと思います。
【詳しい分量は一切なし】
本を開いてまずびっくりしたのは、材料の詳しい分量が一切書いていないこと。
普通のレシピ本であれば「タマネギ1個、醤油大さじ2」のように具体的な分量が表記されていますが、「カレンの台所」ではカレンさん独特の言い回しで分量を判断します。
「スーパーを陣取る豚肉をまずは仲間にします。」
「生姜の香りに楽しめるくらいでやめてくださいね。」
戸惑いながらも、「少人数なのに爆発的な結果を出せる、まさにクラスの人気者たちの作品」になりそうな生姜焼き作りを開始していきます!
【物語のようなレシピ】
まずは玉ねぎを切っていきますが……その説明も、これまでのレシピ本には絶対にない表現です。
「半分はみじん切りをしてマンモス学校にしてあげて、半分はスリムが集まる薄切りメンバーにしてあげて下さい」
「みじん切りといってもハンバーグを作るわけではないのでどんなに大雑把な手つきでも許されます」なんて思わずうなずきたくなってしまうお言葉も。それにしても、玉ねぎをマンモス学校にしてあげるという視点がすごいです。
【楽しい漬かり時間】
まだまだカレンさん独特のレシピは続きます、豚肉を調味料に漬けるときの説明も具体的な分量の表記はありません。
「台所でふり向けばあるお醤油を、まず豚肉たちが足湯ができるぐらいの量入れ、お酒をさらに肩まで浸かるほどいれます。」
「みりんは入浴剤入れる程度にいれたら」
など、面白い表現ばかり。
目分量ですが「このぐらいなら足湯できる?」「入浴剤ならこのぐらい……?」と考えながら、漬け調味料……滝沢カレンさん流に言うと「うま味風呂」をMIXしていきます。
「せっかく気持ちよく浸かっていたのですが、ここからは出たくても出られなくなることを、まだあのメンバーは何も知りません。」
という表現にはちょっと笑ってしまいました。この豚肉たちは、しばらくうま味風呂から出られなくなるとは知らない……と想像すると、何だか楽しくなってきます。
【焼き方の説明もアーティスティック】
漬け時間が終わったら、いよいよお肉たちを焼いていきます。
「熱したフライパンにオリーブオイルを絵描きのように広げたら」
という表現にもびっくり! 今までオリーブオイルをそんなにアートな視点で捉えたことはありませんでした。絵描きの気分でオリーブオイルをフライパンにえいっ! と広げたら、アートに見えなくもない……?
豚肉をフライパンに入れた後も「焼き目がつくギリギリまで、助けません。」
焼き方を見極めるときの基準も「全身焼き目がつき成長したなと思ったら」だそうです。
ここまでくると、もはや滝沢カレンさんのレシピに不思議さを感じるよりも、楽しさが上回るようになっています。
気が付けば、フライパンの中身を見て「成長した?……いや、もう少し!」と普段とは違う視点で豚肉の焼き加減をチェックしている自分がいました。
【完成〜!】
「千までいかなくても500切りくらい」にして水に沈めておいたキャベツを用意して……
「マヨネーズを端っこに仲間に入れたら」完成しました〜!
成長具合(焼き目)をしっかりチェックしたおかげか、適度に香ばしくて焼き加減も完璧。実際に食べてみてもとても美味しかったです。
【新しい感覚のレシピ本】
普通の感覚とは全く異なるレシピ本。ですが、読んでいると物語のように分量や作り方がなんとな〜く理解できて、いつの間にか滝沢カレンさんワールドに迷い込みながら美味しいご飯が作れてしまいます。
巻末には、材料たちが<CAST&STAFF>として紹介されていました。滝沢カレンさんにとって、お料理は単なる作業ではなく、物語なのかもしれません。
お値段は1540円(税込み)。最近、お料理が何だか楽しめない……という方は、ぜひ手に取ってみてほしいです。新しい視点でクリエイティブにお料理を楽しむきっかけを与えてくれる1冊かもしれませんよ。
参考リンク:サンクチュアリ出版、instagram@takizawakarenofficial
執筆・撮影:五條なつき
Photo:(c)Pouch