「ラーメン」と「中華そば」の違いってなあに? 天下一品に聞いてみましたっ
巷にあふれるラーメン屋さんの看板をよーく見てみると、「ラーメン」と「中華そば」、2種類の表記があることに気がつきます。
「ラーメン」と「中華そば」は、同時に記載されることはあまりないように思います。ということは、双方のあいだには明確な線引きがあるはず……。ところがいざ食べ比べてみても、ハッキリ「ここが違う!」とは言い切れないっ。
考えてもわかることではないので、「ラーメン」と「中華そば」の2つの名称を使っている、京都発祥のラーメンチェーン店「天下一品」に話を聞いてみました。
【「ラーメン」と「中華そば」の違いはなんですか?】
「天下一品「弊社では、基本的には同じものと考えております」
え、そうなの!? 天下一品は「中華そば専門店」と掲げる一方で、メニューなどには「ラーメン」も使われています。
なぜこのようなことになっているのか、続けて聞いてみたところ、興味深い答えが返ってきましたよ。
【当時の時代背景に秘密がありました】
「それは創業当時の時代背景に拠ります。
戦後、中国から引き揚げて来られた方などが、手軽でおいしい食べ物としてラーメンの屋台を普及させました。当時は日本のそばと区別する意味で、『中華そば』あるいは『支那そば』と銘打つお店がほとんどでした」
天下一品によれば、「『ラーメン』という呼び方が一般に普及し始めたのは昭和33年頃。日清食品が『チキンラーメン』を発売したことがきっかけだと言われている」とのこと。
しかし、当時のインスタントラーメンは最先端の新商品。そのため、「ラーメン」という呼び方にはハイカラなイメージがあり、屋台やお店で提供するものは変わらず「中華そば」と呼ぶのが一般的だったそうです。
その後、時間の経過とともに、中華風の麺類を「ラーメン」と表現することが多くなっていき、広く親しまれるようになったんですって。そのため、天下一品も「ラーメン」という呼称も使うようになっていったそうです。
【印象がガラリと変わりました】
天下一品の創業は昭和46年。屋台での営業から始まったとのこと。その当時に思いをはせれば、「ラーメン」ではなく、あえて「中華そば」と呼んで食べたくなっちゃいます。
“基本的には同じ” だとしても、歴史を知るとずいぶんイメージが変わるものですねぇ。ちなみに、この2つの違いには諸説ありますのであしからず!
取材協力:天下一品
Photo:RocketNews24
執筆=田端あんじ (c)Pouch