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【名作医療映画シリーズ】『ドクター・ドリトル』は笑いの中に “医師として大切なこと” が描かれている良作です

   


いま、命の最前線で懸命に働く医療関係者を応援すべく、医療がテーマの名作映画を数回にわたってピックアップしていきます。

第2回目は映画『ドクター・ドリトル』(1998年公開)です。「爆笑コメディじゃないですか!」と思うかもしれませんが、コメディとはいえ、その中にひとりの医師の成長が描かれているのが『ドクター・ドリトル』の魅力なのです。では物語から。

【物語】

ジョン・ドリトル(エディ・マーフィ)は少年時代、動物と話せる才能がありましたが、父親が心配し、彼の話し相手だった愛犬を保健所送りにしたため、動物と話すことを封印したまま成長しました。

やがてジョンは医者になりましたが、身勝手で傲慢で、決して患者思いの医者ではありませんでした。ある日、ジョンは、車で病院へ向かう途中、犬にぶつかってしまいます。「やってしまった!」とガックリしていると、なんと犬から「どこ見て運転してるんだよ!」と怒られてしまい……。その日から、ジョンは町中の動物の言葉がわかるようになってしまうのです。

【とっても身勝手なドリトル先生】

(※以下ネタバレあり)

正直、前半のドリトル先生は、嫌な医者なんですよ。カニアレルギーに苦しみ、何度も先生を頼ってくる患者に対して「勘弁してくれよ」といやいや治療したり、大手の製薬会社との契約に躍起になったり、親として見ても「キャンプに行きたくない」という娘の訴えを無視して無理やり連れて行ったり。あらゆることに対して自分勝手なんですね。

でも、フクロウに刺さったトゲを抜いてあげたことをきっかけに、動物界に「動物の言葉がわかる医者がいる」と噂が広まり、ドリトル先生のもとにわんさか動物たちが「治して~」とやってくるように。「やめてくれ~」と思いつつも、治さないと帰ってくれないから、渋々多くの動物患者を治療していくハメになっていき、次第に変わっていきます。

【動物たちに感謝されて気づいた医者の役割】

突然、動物の言葉がわかる才能が復活してしまい、ドリトル先生はてんやわんや。動物たちとの間ですっごいドタバタ劇を展開していきます。しかし、大騒ぎしながらも、ドリトル先生は医師として「病気や怪我をした患者を治療する」という、正しい行いを動物たちに施し、そして動物たちに感謝されることで、医師としての本当の喜びに改めて気づくのです。

最後、飼い犬に「動物と人間、どっちを診るの?」と聞かれたとき「どっちもだ。両方とも動物だから」と答えるドリトル先生。ずいぶん心の広いお医者さんになったなあと感動しちゃいましたよ。

【テンポの良いの笑いも楽しんで!】

そんな医者としての本当の喜びと役割に目覚めていくドリトル先生を描いた本作ですが、笑いも見どころのひとつ。動物たちから「ツッコミ」が入るやりとりが本当に楽しく、何度も笑わせてもらいました。また、たったひとりで動物たちのツッコミにテンポよく応えていくエディ・マーフィがやっぱり凄くて、その演技力とコメディセンスに改めて脱帽! ちなみに、私のお気に入りは、サーカスからドリトル先生のもとへ助けを求めにやってきた酔っぱらいの猿! いいキャラでしたよ~。

とても楽しくて心温まる作品となった『ドクター・ドリトル』。2020年には、ロバート・ダウニーJr.がドリトル先生を演じる新しい『ドクター・ドリトル』も公開予定ですが、まずはエディ・マーフィ版の『ドクター・ドリトル』を観て、ほっこりしてください。

執筆:斎藤香 (c)Pouch

『ドクター・ドリトル』
監督:ベティ・トーマス
出演:エディ・マーフィ、オシー・デイビス、オリバー・プラット(声の出演)ノーム・マクドナルド、クリス・ロック、アルバート・ブルックスほか
(発売中/1800円+税/20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン)
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