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関西からひとりで上京して感じた「ぼっち」の瞬間あるある

   



3月って、何かとノスタルジックでもあり、あわただしくもある季節ですよね。卒業や進学、就職にともなう引っ越しなど、環境の変化を控えているかたも多くいるのではないかと思います。

毎月1日、11日、21日は「ステキなぼっちの日」。今回は、大阪から上京したばかりのときにわたしが感じた「ぼっちの瞬間」のお話を。

意外なところで「あれって関西だけだったんだ」と感じることがあり、ちょっぴり寂しさがありつつも、新しい土地に来たことを実感する日々でした。

【肉まんに “からし” がつかない】

いきなり意味がわからないと思いますが。東京では、コンビニの肉まんに「からし」の小袋がついてきません。これが結構カルチャーショックでした。

「551の豚まん(肉まんではない)」を血肉として育っている関西人にとっては、豚まんはからしをつけて食べるもの。なので、コンビニで買う肉まんにも、からしの小袋をつけてくれるのです。

上京したての頃は「店員さん、またからし付け忘れてるな」と思っていましたが……まさか、つかないのがデフォルトとは。最近は「からしください」と口頭で伝えるか、自主的におでんの薬味コーナーからもらっていってます。

【たこ焼きが高い】

これも本当にいまだに慣れないことのひとつ。たこ焼きが高すぎます。

大きめで中身ふわとろで〜やないねん。ひとくちでパクッと食べられて、ポクポクした口当たりで、8個320円のやつが食べたいねん……。

ぶっちゃけ、大阪にいたころはそんなにたこ焼き好きでもなかったんです。でも、今になって恋しい。駅から家に帰る途中にある店で、おばちゃんが野球中継見ながら焼いてる、味がブレブレのやつが食べたい!

豚まん同様、こんなふうに食文化を懐かしく思うとき、「ああ、大阪人なんやなあ」としみじみ感じます。

【圧倒的な “お笑い” の少なさ】

今でこそ、ダウンタウンをはじめとする関西芸人の姿をテレビで見るのは日常茶飯事になりました。でも上京した当初は、お笑い番組のあまりの少なさに驚いたものです。

大阪では、ほとんど毎日と言っていいほど、芸人によるバラエティ番組が放送されていました。でも同じ時間に、東京ではちょっとマニアックなドラマがやっていたり、エッジの利いたクイズ番組がやっていたり……。

その、“なんとなくオシャレで都会的な知的さ”を目の当たりにしつつ「そうか……そらそうやな」と、いろんな意味で軽くショックを受けたことを覚えています。

今ではネット配信もあるし、当時ほど東京と大阪で放送される番組に差はないのかもしれません。でも、みずから視聴しようとしなくても日常的にお笑いを摂取してしまう環境は、大阪ならではだったんだなあと思います。

【急に言われてもしゃべられへん】

わたしは普段、まったく関西弁が出ません。出身を聞かれて大阪だと答えると、驚かれるくらいです。

そんなわたしが苦手なのが「ちょっと関西弁しゃべってみて」と言われること。最近はテレビでもよく関西弁を聞きますし、ものめずらしがられることも少なくなりました。でも上京した当時は、ほんっとうによく言われたのです。

とくに関西人が一人だけのなか、標準語をしゃべる人の前で突然切り替えるのは、意外と難しいんです。しかもその後、自分のイントネーションに自信がなくなって混乱するしで、なかなか大変でした……。

【数字で関西人発見!】

関西人は、なぜか無意識に「♪い↑〜ち、に↓〜い、……」と、音程をつけながら数を数えてしまいます。そしてそんな人に、たまに東京でも出会います。

お釣りのお札を数えるときに音程をつけてしまう店員さんや、「1950円です」を「↓ ↑ ↑ →」と抑揚をつけて発音してしまう店員さん。

耳にするたび「この人関西人だ……!」とニヤリとしつつ、妙にいとおしくって、仲間を見つけたような気分になります。

【ぼっちだけど、ぼっちじゃない】

ふとしたことで「ああ、わたしは大阪人なんやなあ」と思う瞬間は今でも多々あります。それを疎外感のように感じていたことも正直ありました。

でも、独特の食文化やお笑いが当たり前にある環境に対して「自分の地元にしかない」って、すごいことやん? と思えるようになったんですよね。

大阪人に限らず、地方から上京したひとはちょっと寂しい思いをすることがあるかもしれません。

だけど、「地方から東京に来た人」はほかにもたくさんいるし、自分が育ってきた環境や、受けてきた影響を再確認できて、面白い!と感じることも、きっとたくさんあります

どうかこれからはじまる新生活、楽しんでくださいね!

ぼっち度:★★★★★
たこ焼き食べたい度:★★★★★★★★★
関西人だからって面白いこと言えると思わないでほしい度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

執筆:森本マリ
Photo:(c)Pouch

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