海外在住者の私が、日本の電車にベビーカーで乗って感じたこと
先日、生後6ヶ月になる赤ちゃんを連れて、フランスから東京に帰省しました。
帰省の際に気になったのは、電車の乗り換えなど、ベビーカーでの移動について。
私が暮らしているフランス南西部のトゥールーズは、大きめのベビーカーであっても、移動がかなりラク。電車内に優先席があるのはもちろん、メトロ(地下鉄)の駅構内は、改札階とホーム階をエレベーターでスムーズに行き来できます。
果たして大都会の東京では、どうなのでしょうか。。
東京にいる3週間、ベビーカーに乗せた赤ちゃんと、東京の地下鉄を利用してみて感じたことをお伝えしたいと思います。
【フランスは車両ごとに自由な広々スペースがある】
私たちが主に利用したのは、東京メトロ。電車内は、ベビーカーをたたまずに使える優先スペースが充実していました。このエリアに立っている人もいましたが、ベビーカーで近づくと、ほとんどの人が快く譲ってくれました。
ちなみに、南仏トゥールーズのメトロの車両には、東京メトロのようなベビーカースペースはないのですが、誰もが使える広々としたエリアがひとつの車両につき2つ、3つあります。
なので、ベビーカーは主にそのエリアに置いておきます。ちなみに優先席でなくても、妊婦や年配者、あるいはベビーカーで乗車していると、席を譲ってくれる人も多いです。(もっとも、これはフランス全土の話ではなく、時間の流れがゆったりしている南仏だから……かもしれませんが)
【日本はエレベーターが少ない…】
いっぽう、一番気になったのはエレベーターの少なさ。現在暮らしているフランス南西部のメトロと比べると、東京23区の駅構内はエレベーターが充実していない印象です。乗り換えが必要なときや、改札口がエレベーターと反対側にあるときなど、エレベーターを探してホームの端から端まで移動するのは本当に大変!
JR新宿駅など人が多く利用する駅のホーム内の移動は大変だし、エレベーターには長蛇の列ができるし……。比較的空いていそうな土曜の午後の利用だったのに、これが平日の通勤時間帯だったらどうなるだろう(白目)。
とはいえ、トゥールーズも通勤時間帯は東京と同じくメトロが混雑するため、ベビーカーでの移動は控えますが……。
【意外とみんな助けてくれる】
東京ではエレベーターが見つからなくて、やむを得ずベビーカーを抱えて階段を登ることもしばしばでした。
あぁ、面倒。あぁ、大変と思いきや……。年配の男性がベビーカーを運ぶのを手伝ってくれました。また、別の駅でもベビーカーを持って改札出口から長い階段を下る際に「よかったら手伝いますよ!」とたびたび女性の方から声をかけられ、手伝ってくれる人がたくさんいたのです。ほかの駅でも同じように、手を差し伸べてくれた女性たちがいました。
いずれも私がお願いしたわけではありません。駅員さんだけでなく、一般の方が何度となく手伝ってくれたことに感激!!
【赤ちゃんをあやしてくれた人も…】
不安なのはベビーカーでの移動方法だけでなく、電車の中で子供が泣いたりぐずったりしたときの対処です。
ある日に乗車していた電車が混んできた際に、普段は大人しい娘(赤ちゃん)が少々不機嫌に。下車駅までもうすぐ、というところで泣き始めてしまい、あたふたしていると……。
近くに立っていたおばあさんが「あなたはえらいねぇ。がんばってるねぇ。もうすぐだね」と赤ちゃんに何度も話しかけてくれたのです。あのときは電車内の空気がやわらかくなった気がして、本当に助かりました。
【総評:思った以上に人の優しさを感じた】
SNSや国内のテレビ番組で、駅でベビーカーを蹴られた、ヤジを飛ばされた、などの子連れヘイトが話題になっていることもあって、実は日本に戻ってくる前は海外仕様の大きなベビーカーでの公共交通機関の利用には不安を感じていました。
だけど、意外と助けてくれる人が多かった印象。もちろんタイミングがよかったのかもしれませんが……手伝ってくれた方々、赤ちゃんに笑顔で接してくれた方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。私もベビーカーで移動している人を見つけたら、積極的に手伝おう!!
ただ、やはり気になったのは、エレベーターの少なさ。移動にとても時間もかかるし、労力もかかりました。エレベーター増えて欲しいな……。
参考リンク:東京メトロ
執筆・撮影:sweetsholic
Photo: (c)Pouch