宝島社の企業広告がピリッと攻めている…「次のジョブズも次のケネディも次のアインシュタインも、きっと、女。」など
掲載されるたび話題になる宝島社の企業広告に、新バージョンが登場。2020年1月7日に、読売新聞朝刊・毎日新聞朝刊・日刊ゲンダイ・朝日新聞朝刊・日本経済新聞の全国版5紙に同時掲載されました。
広告に並んでいたのは
「長寿先進国、おめでとう。」
「ハンマーを持て。バカがまた壁をつくっている。」
「次のジョブズも次のケネディも次のアインシュタインも、きっと、女。」
という3つのキャッチコピー。
いずれもドキッとさせられるものばかりで、言葉の裏にある意図をアレコレ考えずにはいられません。
【いじわるばあさんのセリフにドキッ!】
まず注目したいのは、読売新聞朝刊・毎日新聞朝刊・日刊ゲンダイの3紙に掲載された広告「長寿先進国、おめでとう。」。
長谷川町子さんの作品『いじわるばあさん』をフィーチャーしており、
「ヤなことは見えない。メンドーなことは話さない。ツゴウのわるいことは聞こえない。」
「なんで、長生きしたかったんだっけ。」
「昨日? そんな昔のこと、わからないね。明日? そんな先のこと、わからないよ。」
の3パターンが登場。
「長寿先進国の幸福論。」をテーマに、ネガティブにとらえられがちな日本の高齢化社会に関する視点を変え、今後社会とどうやって付き合っていくのか考えるきっかけになってほしいという思いがあるようです。
コミカルな印象の中にもピリッとした辛さを持つこの広告、あなたはどう思うでしょうか。
【壁は本当に崩壊したのか】
続いて注目するのは、朝日新聞朝刊に掲載された「ハンマーを持て。バカがまた壁をつくっている。」。平成元年にドイツで起きた「ベルリンの壁崩壊」の様子を取り入れています。
こちらの広告を通して宝島社が問いかけるのは、「平成が過ぎ、令和になったけれど、時代は本当に変わったのか」という思い。
壁は本当に崩壊したのか、そして私たちは良い方向に進んでいるのか。今の世界情勢と次の世界の価値観について考えさせられる広告となっています。
【女性が輝かない社会に未来はあるのか】
最後に注目するのは、日本経済新聞に掲載された「次のジョブズも次のケネディも次のアインシュタインも、きっと、女。」。
ドラクロワによる作品『民衆を導く自由の女神』を取り入れた、「女性」がテーマの作品です。
「女性活躍推進法」が施行されて5年が経過したけれど、女性が輝く社会は実現されたのか。そもそも、女性が輝かない社会に未来はあるのか。
ジョブスやケネディなど偉業を成し遂げた人物の名前をあげることで、「女性たちは希望だ」と宣言しているかのようです。
【過去作もスゴイんですよ】
宝島社の企業広告は、「企業として社会に伝えたいメッセージ」という主旨のもとに1998年にスタート。樹木希林さんの広告など、深く考えさせられる作品がそろっています。
公式サイトからチェックできるので、興味があれば、今回掲載された広告とともに過去作もご覧になってみてください。
参照元:プレスリリース、宝島社
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:宝島社企業広告「長寿先進国、おめでとう。」 / 宝島社企業広告「ハンマーを持て。バカがまた壁をつくっている。」 / 宝島社企業広告「次のジョブズも次のケネディも次のアインシュタインも、きっと、女。」