【団地リノベ】2つの住戸を1つにつなげる「ニコイチ」が画期的! 始めたきっかけは「団地の過疎化」でした
マンション住まいは便利ではありますが、とくに都心部などでは「もっと広い家に住みたいなぁ」と感じている皆さんも多いのでは?
そんななか、2017年度のグッドデザイン賞を受賞するなどして注目を集めているのが、大阪府住宅供給公社が団地再生プロジェクトとしておこなっている「ニコイチ」です。
「ニコイチ」とはその名の通り、「2戸を1戸」にリノベーションすること。45㎡の2戸をつなげて90㎡の空間を創り出すことで、広い居住空間を確保できるというわけです。しかも間取りやコンセプトもバリエーション豊かで、これは住まいへの夢やあこがれが広がっちゃいそう……!
【間取りやコンセプトもバリエーション豊か】
画期的な団地リノベーション法として話題となっている「ニコイチ」ですが、さまざまな間取りが用意されている点も特長です。
たとえば「板間SOHOのいえ」の間取りは、左側をみんなで集まれるエリアにしていますが、食事室と居間の間にあるのは大きなテーブル。これはもとは押入れがあった場所だそう!
また名前のとおり居間と個室が板間になっているのも、子どもから年配の人までどの世代もゆったりとくつろげそうでいいですね。
ほかにも「通り庭がある家」「おもてなしができる家」など実にバリエーション豊か。デザインは外部の企業から公募しているということで、内装もなかなかにオシャレです。
【ニコイチを始めたキッカケは?】
そもそも「ニコイチ」を始めたきっかけは何だったのでしょうか? 大阪府住宅供給公社 経営企画課に尋ねてみたところ、
「最初に『ニコイチ』を実施した茶山台団地(堺市南区)がある泉北ニュータウンは、人口減少や少子高齢化が府内でも急速に進行しているエリアです。特に、若年層向けの住宅が不足しているという課題があり、建物や設備の老朽化、空家の増加なども深刻化していました。
そういった課題を解決するために2015年度から施工開始したのが『ニコイチ』です。部屋の面積が倍増することで、子育て世帯への新しい住まいのカタチとして提案することが可能となりました」
とのこと。団地の過疎化が進んでいるといったニュースもよく目にする今の時代。ニコイチは少子高齢化や空家の増加といった問題と、広いところでゆったり子育てしたいという若い世代のニーズを同時に叶えるよい解決策だといえそうです。
東京を見てみても、家族向けのマンションは70㎡台が中心。中には60㎡台で家族3人、4人で暮らすことを想定した間取りもあります。そう考えると、90㎡というのは子育て世代が住むにあたってもかなり余裕の持てる広さではないでしょうか。
第1弾の茶山台団地が好評だったことから、現在は寝屋川市、香里三井C団地などへの展開も行っているという「ニコイチ」。公式サイトで入居募集も随時おこなっていますので、興味を持った方はチェックしてみてはいかが?