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【本音レビュー】映画『メン・イン・ブラック インターナショナル』は今までの『MIB』ユーモアが物足りない…!

   


【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。

今回ピックアップするのは『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019年6月14日より公開)です。『メン・イン・ブラック』(以下『MIB』)といえば、トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミス共演のSFコメディアクション映画として有名。ウィル・スミスは『MIB』でスターになったようなもんですからね!

その二人から『MIB』を受け継いだのは『マイティ・ソー』シリーズのクリス・ヘムズワースと『マイティ・ソー バトルロイヤル』のテッサ・トンプソン。本作を公開初日に劇場で観てきました! では物語から。

【物語】

地球上に生息するエイリアンが犯罪や侵略行為を行わないように監視・取り締まりを任務とする最高機密機関「メン・イン・ブラック」(MIB)に、新人女性エージェントM(テッサ・トンプソン)がやってきます。彼女の教育係は、チャラい先輩エージェントH(クリス・ヘムズワース)。二人はタッグを組んで、ロンドンのMIB内部に潜伏するスパイを摘発するという初ミッションに挑みます。が、スパイ側は裏工作を進め、二人は次第に追い詰められていくのです。

【女性エージェントがヒロインでうれしい!】

本作で何よりうれしいのはヒロインが女性エージェントってことですよ! M演じるテッサ・トンプソンはクール系というより、可愛いらしさや親しみやすさがある女優なので「頑張って~」と応援する気持ちが上がります!

『MIB』でトミー・リー・ジョーンズが演じていた先輩Kがクリスで、ウィル・スミスの演じた後輩Jがテッサという立ち位置ですね。少女時代から宇宙の神秘に興味を抱いていたMは、宇宙人を監視するMIBに興味を抱いていました。ずっとエージェントになりたかったヒロインという設定が、シリーズへの愛を感じて好感度大です。

ちなみにキャラ的にはかなり真面目なしっかり者。エージェントになりたかっただけあって、すべてにおいて前のめりでエージェントとしても速攻で凄腕に。脅威の新人ですよ!

【男女バディの丁々発止のやりとりに期待したんだけど】

そんなできる後輩エージェントとは正反対に、先輩エージェントHはチャラ男。教育係的なポジションなのに、なんだかあまり頼りにならないという……。武器についてあれこれ教えてくれるんだけど、優等生Mはすぐに使いこなしてサクサクとエイリアンを退治していく……。彼らしい色気を醸し出してはいるのですが、「めっちゃかっこいい!」というシーンはあまりなくて、クリス・ヘムズワース好きとしては少々寂しかったです。

また、前作でトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスが魅せてくれたバディ感やマジメなシーンでおトボケを発動するというフェイントをかけた笑いなども本作は見られず……。しっかり者のMとチャラ男Hのかみ合わない会話による丁々発止の掛け合いを期待したんですが、それも不発……。う~ん、残念! 前作までの『MIB』の楽しさを求めちゃいけないのかなと思いました。

【新しい武器の数々は楽しさ満載!】

なんだかんだと書きましたが、ヴィジュアルは楽しく、車のサイドミラーやホイールが戦闘銃になったり、ボンドカーやバットモービルにも負けない機能を搭載したMIB戦闘車など、ド派手なアイテムの数々の活躍を見るのは楽しかったです。またエイリアンにキモ可愛いキャラが登場。中でもMとHとのからみが多いボーニィはおしゃべりでにぎやかなキャラクター。小さい体で一生懸命、場を盛り上げていますよ。

映画『MIB インターナショナル』は前『MIB』と比べちゃうと「前シリーズの方が~」と言いたくなるかもしれませんが、トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスは奇跡の二人だったんだなあと改めて思いました。あんな魅力的なバディは簡単には誕生しないし、あの二人だったからこそ成し遂げられた世界が『MIB』。

でも、キャラが変われば世界も変わる! この新しいコンビのシリーズが続くかどうかわかりませんが、もし続編があるとしたら、しっかり者のMとチャラ男Hの『MIBインターナショナル』の進化した世界に期待したいと思います。

メン・イン・ブラック インターナショナル
(2019年6月14日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)
監督:F・ゲイリー・グレイ
出演:クリス・ヘムズワース、テッサ・トンプソン、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、レベッカ・ファーガソン

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