ひとりぼっちで「ボードゲームカフェ」に行ってみた! 自分だけの庭園を作る謎の激渋ゲーム「枯山水」など奥深いその世界に没頭…
私はひとりっ子です。
「ひとりっ子なら子供時代、おもちゃもTVゲームも独り占めだったでしょ? いいなあ〜」なんて言われることが多いけど、ひとりっ子では楽しめない憧れのおもちゃがあります。
それは……人生ゲームみたいなボードゲーム! たまに友だちの家とかでやるとめちゃめちゃ楽しくて興奮しっぱなしでした。そして、それは今もそう。
毎月1のつく日(1日、11日、21日だけ)は「ステキなぼっちの日」。Pouchでは担当ライターが体を張ってぼっちの限界に挑み、ぼっちの可能性を広げるべく、世の中のさまざまな場所でぼっちでも楽しく過ごせるかどうかを誠心誠意、検証しています。
私も誰かとゲームで遊びたい……!
というわけで今回は、最近各地に増えているという「ボードゲームカフェ」にひとりで行ってきました。
【ドキドキしながら店を訪れる】
「ボードゲームカフェ」とは、名前のとおり客どうしでボードゲームがプレイできるカフェのこと。お店に何十種類ものボードゲームが置いてあり、それで自由に遊ぶことができます。
今回訪れたのは、昨年12月に巣鴨にオープンしたばかりだというボードゲームカフェ「ASOBAKO」。しかし私、ボードゲームはほぼ初心者のうえ、けっこう人見知りです。
「めっちゃルールが難しくてついていけなかったらどうしよう……」と不安に思いつつお店を訪れました。
【マンツーマンでゲームを教えてもらえる】
平日の昼下がりということもありお客さんはおらず、のんびりした雰囲気です。
「あの〜、ひとりなんですけど大丈夫ですか? ボードゲームはほとんどやったことがないんですけど……」と素直に自己申告。
「全然大丈夫ですよ〜」という店員さんの優しい答えにホッとひと安心。
ひとりで来て、一緒にプレイする人が見つからなくても、店員さんがゲームの説明をしながら遊んでくれるとのこと。
とはいえ「ボードゲームカフェというくらいなんだから、めちゃめちゃマニアックでルールが複雑なゲームばかり置いてるのでは」と思ったのですが、最初に紹介してもらったのは、少人数でもできるめちゃめちゃ簡単で分かりやすいゲームでした。
まず紹介してもらったのは「クアルト」という、五目並べの進化版みたいなゲーム。
相手から渡されたピンを20個のマスの中に置いていき、色、形、高さ、なんでもいいので共通点のあるピンを1列先にそろえた方が勝ちというシンプルなルールです。
「な〜んだ、簡単じゃん」と思ったものの、これが意外と奥が深い! 相手に渡すピンの形や色も、自分が置くピンの位置も死ぬほど考えないとあっさり負けてしまうのです。私は深く考えずにやってたせいで1回目は速攻で負けてしまいました。なるほど、これはハマるわ……!
【謎すぎるゲーム「枯山水」をプレイ】
その後もテトリスそっくりな「ブロックス」など、比較的シンプルなルールのゲームでいくつか遊んでみました。そしてそのあと、むずかしめのゲームにチャレンジさせてもらうことに。「むずかしめ」というゲームたちの中には、内容が想像もつかないような不思議なゲームもちらほら。
中でも目をひかれたのが、僧侶の顔がドドンと描かれた「枯山水」なる激渋なゲーム。せっかくなのでプレイさせてもらうことに。
枯山水とは、水を使わずに石などの配置で渓流の風景を表現する日本庭園の技法のこと。古いお寺などで見ることができます。
さてこの「枯山水」ゲーム。石畳のカードを引いて敷き詰めたり、庭石を置いたりしながら、自分オリジナルの「枯山水」を完成させていく、というもの。できあがった枯山水の美しさで点数を競います。なんだ、その激渋い感じ!
特殊能力が使える「千利休」「雪舟」などのお助けカードがあったり、実在する名庭園を再現できると加点があったり、わびさび感が半端ないのです。店員さんが遊びながら説明してくれたからよかったものの、これはルールも複雑で難しい……!
しかし、難しいぶん、盛り上がるのも事実。
「その石畳のカードはどこに置きようもないですね」
「おお〜、いい感じの庭ができてますね」
など、まったくの初対面なのに自然と会話が生まれます。
そして1手1手にめちゃめちゃ頭を使ったわりに、できあがったのは妙ちくりんすぎる庭。世が世なら、戦国武将に切腹を命じられていたでしょう……。この悲惨なできあがりもまた、面白かったです。
【楽しさと、ほどよい距離感と】
いろんなゲームで遊んで、気づけば入店から2時間経過。想像した以上に頭を使うせいもあり、ほどよい疲労感がありました。
今回は店員さんとふたりでしたが、他のお客さんとセッティングして相席でゲームを楽しむこともできるし、お店によっては「おひとりさまデー」のようなイベントをやっている場所もあるようです。またお店に来るお客さんも「初心者だからと怒るような人はいない」とのこと。だから、女子ひとりでも、安心して訪れることができるようです。
ゲームを通じて自然と会話できるけど、ゲームに集中しているのでプライベートな会話になることはあんまりないし、つかずはなれずの距離感が心地よかったです。
ちなみにこのタイプの「ボードゲームカフェ」、かかる費用はドリンク代のみで、食べ物は持ち込み可としているところが多いよう。ホムパがわりに、そこまでまだ仲良くなってない友だち同士で行ってみても盛り上がれるかも。
ぼっちボードゲームカフェ、ありだと思いますよ〜!
ぼっち度 ★★★
楽しい度 ★★★★★★★★★★★★
頭使う度 ★★★★★★★★★★★★★★
取材協力=ASOBAKO
執筆=御花畑マリコ (c)Pouch