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【本音レビュー】主役が木村拓哉だからこそ楽しめる! 映画『マスカレード・ホテル』は難しいこと一切ナシの娯楽ミステリー映画です

   



【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。

今回ピックアップするのは木村拓哉さん&長澤まさみさん共演作『マスカレード・ホテル』(2019年1月18日公開)です。東野圭吾さんの同名原作の映画化作品で、超豪華キャスト陣で彩られた大娯楽ミステリー。小日向文世さん、濱田岳さん、前田敦子さん、勝地涼さん、菜々緒さん、松たか子さん、渡部篤郎さんなど主演級俳優が次々と登場します!

原作は未読のまま、試写で見せていただきましたが、楽しかったですよ。では物語から。

【物語】

3件の連続殺人事件を捜査する警視庁捜査一課の刑事・新田浩介(木村拓哉)は、犯人が現場に残した数字が次の殺人場所を指定していると推理。4番目の殺人はホテル・コルテシア東京で起こると予測し、潜入捜査をすることになります。

新田はホテルのフロントクラークに扮し、犯罪を未然に防ごうとしますが、「犯人逮捕が最優先」の新田と「お客様が最優先」のフロントクラークの山岸尚美(長澤まさみ)は、ことごとく衝突してしまうのです。

【木村拓哉らしさが発揮された作品】

木村拓哉さんは、前作『検察側の罪人』で、新しい木村拓哉を見せてくれました。しかし、本作の木村さんはいい意味で、私たちが見てきた木村拓哉のイメージのままで「キムタク来た~!」と思わせてくれます。

本作の演出はドラマ「HERO」の鈴木雅之監督で、木村拓哉の魅力を熟知している人ですから、木村さんもノビノビ演技しています。本作で木村さんの相棒を演じるのは長澤まさみさんですが、木村さんと長澤まさみさんのバディぶりは「HERO」での松たか子さんとの名コンビを彷彿させます。最初は火花バチバチしていますが、相手を知るうちに実力を認め合う関係になっていく。信頼関係の築き方が似ているのです。

【木村拓哉と長澤まさみの名コンビぶりが良き!】

その山岸役の長澤さんがいいんですよ~! 犯人逮捕しか頭にない新田刑事は、フロントクラークとしての仕事はおざなりで、優秀な山岸はそれが許せない。新田に対して「フロントに立つ以上はちゃんとやってもらわないと困る!」というスタンスを貫くのですね。

彼女を通してホテルで働く人々の仕事への情熱やプライドが描かれ、観客がそれを感じ取るのと同じように、新田にもホテルスタッフへの敬意が生まれていきます。山岸のホテルスタッフとしてのプライドと新田の犯人逮捕の任務がいい具合に溶け合っていく様がテンポよく綴られ、木村&長澤の相性の良さがこの映画の魅力になっています。

【豪華キャストがホテルに大集合!】

本作のもうひとつのお楽しみは、次々と現れるスター俳優が演じるゲスト(宿泊客)たち。いつ犯人が現れるかわからないので、来るゲストすべてが怪しく見えるわけです。視覚障害の老女、ストーカー男に追われている美女、謎のカップルなど、ゲストたちやホテルスタッフの言動に真犯人のヒントが隠されています。

ちなみに私が「この人、怪しい……」と思っていた人が犯人だったのですが、真犯人の動機と狙っていた人物は全く想像できませんでした。ちゃんと伏線があったんですけどね~。

主役級のキャストを集めたオールスター映画は、華やかだけど全員に見せ場を作ろうとするあまり散漫になってしまう場合もありますが、本作は舞台であるホテルからほとんど出ませんし、あくまで新田刑事と山岸の行動が中心で、目的は犯人捜し。

入れ替わり立ち代わり登場する豪華ゲストたちの役割もしっかり決まっているので、脱線することはありません。ジョニー・デップなど豪華キャストによるミステリー映画『オリエント急行殺人事件』的なワクワクドキドキ感があり、こういう華やかで楽しいミステリー映画がもっとあればいいのに~と思いました。

老若男女が楽しめる映画『マスカレード・ホテル』。難しいこと一切ナシの明快でわかりやすい娯楽ミステリーとしてオススメですよ!

執筆=斎藤 香 (C)Pouch

マスカレード・ホテル
(2019年1月18日全国東宝系にて、大ヒット上映中!)
監督:鈴木雅之
出演:木村拓哉 長澤まさみ 小日向文世 菜々緒 生瀬勝久 松たか子 石橋凌 渡部篤郎 他
©2019映画「マスカレード・ホテル」製作委員会 ©東野圭吾/集英社

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