96歳のおじいちゃんが「アート」でよみがえらせた村! 壁や屋根をカラフルな絵が埋め尽くす台湾 “虹の村” がスゴイ
日本から手軽に行ける海外として大人気の台湾。にぎわう夜市や中国4000年の至宝と出会える故宮博物院など、行くべきところ、見るべきものの多さで、観光客を魅了し続けています。
さて、そんな数ある観光名所のなかでも、もっともカラフルなのは間違いなく「彩虹眷村」といえるでしょう。
通称 “虹の村” と呼ばれる台中市の彩虹眷村。文字どおり、虹のようにカラフルな色使いの絵で埋め尽くされた場所なんです。家や壁はもちろん、道路にまで絵が描かれていて、見渡すかぎり色で埋め尽くされています。
インスタグムで「彩虹眷村」、もしくはハッシュタグ「#rainbowvillage(虹の村)」で検索すると、世界各国からの観光客が投稿した写真をたくさん見ることができます。
【村をカラフルにしたのは誰?】
唯一無二の場所として、BBC Newsなど主要メディアからも取材を受ける人気ぶりなのですが……。それにしても不思議なのは、一体誰が、何のために、このような村を作り上げたのかという点です。
【絵を描いているのは、96歳のおじいちゃん!】
各メディアが報じているところによると、村中に絵を描いたのは、御年96歳のファン・ヨンフー(黄永阜)さん。香港出身で台湾の国軍兵士だったというヨンフーさんは、退役軍人とその家族が住むための場所として与えられたこの村に、37年以上も暮らしてきたのだそう。
しかし時が経つにつれ、仲間の大部分が去り、様々な開発者が土地を購入。かつて1200以上の家族が住んでいた村には、11戸の家が残るのみとなりました。
これを受け政府は、空き家も多く、建物の老朽化が進むこの村を取り壊し、再開発しようと試みます。でもヨンフーさんはこの村を、どうしても失いたくなかった。そこで思いついたのが、「村中を絵で埋め尽くす」という手段だったのです。
【絵が人を呼ぶ→再開発の話もなくなる】
カラフルかつパワフルな絵で溢れた村はたちまち話題となって、どんどん見物客が来るように。やがては観光の名所となって、政府も再開発を断念。保存していこうと決めたのだそうで、もうほんとにヨンフーさんGJ~~~!
しかもたった1人で描いてきたというのだから、驚かざるを得ませんっ。
【毎朝3時に起きて作業しているそうです】
3歳の頃に父親から絵の描き方を教わったものの、本格的に描き始めたのは7年前ということですから、その技術は完全に独学といえましょう。
しかし独学だからこそ生まれる “味” がヨンフーさんの絵にはあって、愛らしいタッチと、溢れ出すパワーが、より多くの人の心を惹きつけていると思うんです。
今では親しみをこめて「虹のおじいちゃん(彩虹爺爺)」と呼ばれているヨンフーさんは、毎朝3時に起きて(!)絵を描いているそうで、100歳まで描き続けるのが望みとのこと。
でも100歳といわず、もっともっと長生きして、もっともっと素敵な絵を描いてほしいものですね!
参照元:Instagram 検索 彩虹眷村、Instagramハッシュタグ #rainbowvillage
執筆=田端あんじ (c)Pouch