ハリウッドデビューしたローラの女優魂はいかほどか? 映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』【最新シネマ批評】
【公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
今回ピックアップするのは人気シリーズの最終章『バイオハザード:ザ・ファイナル』(2016年12月23日公開)です。本作はローラが出演することでも話題ですね。来日したミラ・ジョヴォヴィッチとともに、六本木ヒルズアリーナで開催されたワールドプレミアにも登壇しておりました。ではまず、物語からいってみましょう!
【物語】
人類の大半がアンデッドと化した世界。人工知能レッドクイーンが黒幕と判明したものの、闘いに倒れたアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は瓦礫の中で目覚めます。
部隊は、巨大企業アンブレラ社の役員ウェスカー(ショーン・ロバーツ)の裏切りで全滅。アリスはひとりで生物兵器やアンデッドと闘うことを余儀なくされます。
そんなとき、宿敵だったレッドクイーンが現れ「人類はあと48時間で滅亡する。抗ウイルス剤を用いれば救済は可能。」と告げます。アリスは抗ウイルス剤を求めてラクーンシティに向かうけれど、次々と行く手を阻む敵が現れて……。
【親切なアリスの説明で初見でもOK】
もともと日本生まれの人気ゲームだった映画『バイオハザード』。2002年に第一作目が登場してから、あれよあれよと6作も作られる人気映画になりました。私、実はこのシリーズを見るのはお初で、ゲームを一度やったときにあまりに怖かったので映画もビビって避けておりました。情けない……。
そんな私がいきなり最終章って……と思ったけれど大丈夫でした。前作との繋がりは冒頭でけっこうな尺をとってヒロインのアリスが説明してくれます。「なるほどそういういきさつがあったのね」と納得して、本編を鑑賞することができる仕組み。なかなか親切な『バイオハザード:ザ・ファイナル』です。
しかし、ゲームをやったときの恐怖が甦るように、アリスは次々とアンデッドやら兵器用生物とやらに襲われるんですね。いきなり現れてアリスを食わんばかりに襲いかかるのが恐ろしくて。このシリーズのファンには当たり前のアクションでしょうが、ビギナーにはハードです。いつ出て来るかとハラハラですよ。
【アリスと仲間になる多国籍のメンバー】
ひとりの闘いかと思ったら、途中でかつての仲間のクレア(アリ・ラーター)が登場。そのほかにもラクーンシティの生存者としてアリスの仲間になるメンバーがおり、これが多国籍でおもしろい。アイルランド人、オーストラリア人、キューバ、韓国、そして日本代表はローラです。
ネタバレになるのでローラの出番については詳細を避けますが、私の正直な感想としては、ローラがどこまで本気でハリウッドで活躍しようと思っているのかは不明だけど、本気なら日本の芸能界を捨ててハリウッドに飛ぶか、日本で女優としての実績を作って演技力を磨かないとですね。ローラは美女ですが、スクリーンでミラと一緒に出るとやはり差が出ます。
しかし、それもまた経験の差。たくさんオーディションを受けて、現場の経験を積んで成功してほしいものです。
【アクションシーンは早すぎ?】
とにかくアリスが闘いの手を止めないノンストップアクション映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』。敵役として登場するウェスカーや、アイザックス博士が情け容赦ないところも面白さを煽っています。悪役はこうでなくっちゃ!
最後に明かされるアリスの秘密は、初見の自分も「え!」とちょっと驚きでしたよ。
そんな風に飽きさせない仕掛けが満載の映画ではあるのですが、アクションシーンは早すぎて、何が起こっているのかよくわからないような印象も。アリスの強さはわかるのですが、カメラワークがせわしない。私が鈍くてついていけないのか? これがいまのアクションの描き方なのか?
とりあえず年末年始にスカッとするアクションが見たい、ドキドキハラハラしたいという人にはいいかも。意外と女の子同士で見て、ノリノリになるのもいいかもしれませんね。
執筆=斎藤 香(c)Pouch
『バイオハザード:ザ・ファイナル』
(2016年12月23日より、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー)
監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、アリ・ラーター、ショーン・ロバーツ、ルビー・ローズ、オーエン・マッケン、フレイザー・ジェームズ、ローラ、イ・ジュンギ、ウィリアム・レヴィ