【哀悼】漫画家さくらももこさんが死去。私たちは少女時代に『ちびまる子ちゃん』に出会えて幸せでした
2018年8月27日に突然飛び込んできた、漫画家さくらももこさん死去のニュース。8月15日に53歳の若さで乳がんのため亡くなったとのことでしたが、闘病中であったことは公にされていなかったので、なおさら日本中に衝撃が走ったといってもよいかもしれません。
さくらさんの代表作『ちびまる子ちゃん』は、今の子どもたちにとっても日曜夕方のアニメでおなじみかと思いますが、現在30代・40代の私たち世代の中には、より深い思い入れを抱いている人も多いはず。
今回の訃報を聞いて、『ちびまる子ちゃん』を毎月楽しみに読んでいたあのころを思い出した元・りぼんっ子の皆さんも多いのではないでしょうか。
【『ちびまる子ちゃん』に笑い転げたあのころ】
今から30年ほど前。クラスの女子のほとんどが毎月愛読していた漫画雑誌が『りぼん』でした。
『ハンサムな彼女』や『天使なんかじゃない』『姫ちゃんのリボン』といった人気連載がいくつもある中、異色を放っていたのが、さくらももこさんの『ちびまる子ちゃん』と岡田あーみんさんの『お父さんは心配症』や『こいつら100%伝説』。
“少女漫画”という枠にはまらない、ときにゆる~く、ときにシュールな作品に私たちは毎月、呼吸困難になるほどに笑わされたもの。『ちびまる子ちゃん』のおじいちゃんとお寿司屋さんに行く回や、授業参観の回なんて、今も鮮明に頭の中によみがえってきます。
その後、大人になるにつれ、さくらさんの作品とは徐々に距離が開いていった人も多いかと思いますが(私もそう)、多感な少女時代に読んだ『ちびまる子ちゃん』の笑いのエッセンスは体中に沁み込み、きっと今も私たちのどこかに息づいていると思うのです。
【作者は亡くなっても作品は息づく】
若いころに出会った漫画や小説、音楽などほど私たちの中に大きな存在として残るものですが、私たちの世代にとって『ちびまる子ちゃん』もそのひとつ。さくらさんはデビュー30周年を迎えた際、次のような言葉を残しています。
「30年間、良い事も大変な事もいっぱいありましたが、私は作家としてとても幸せな月日を送らせていただいています。感謝にたえません。」
(『さくらももこの世界展』「デビュー30周年を迎えて」より抜粋)
さくらさんは亡くなってしまいましたが、『ちびまる子ちゃん』だけでなく『コジコジ』や『永沢君』といった作品が今後も多くの人たちの心に刻まれ続けていくことは、さくらさんにとっては本望にちがいありません。
そして私たちにとっても、少女時代に『ちびまる子ちゃん』に出会えて、その作品を毎月読めたことは本当に幸せでした。あのころ、『ちびまる子ちゃん』を私たちにもたらしてくれてありがとう。さくらももこさんのご冥福をあらためてお祈りします。
参照元:Twitter @tweet_maruko、さくらももこオフィシャルブログ
単行本画像=Pouch編集部
執筆=鷺ノ宮やよい (c)Pouch