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【本音レビュー】子育て中の私が『嫌なこと全部やめたらすごかった』に共感したワケ / 「家事と育児は外注&やりたいときだけ」だってアリ!?

   



これまでにない猛暑が続く2018年夏。熱中症の危険もかえりみず、炎天下のもとで体育の授業がおこなわれたり、「クーラーは甘え」だとして教室に設置するのに反発する声があったりなどの話を聞いて、こう思った人は多いのではないでしょうか。「我慢は美徳」みたいな価値観はもう時代遅れだ、と。

でも、「我慢は美徳」という価値観は、まだまだ家事や育児にもまかり通っているように私は感じています。たとえば「食洗機はただの手抜き」「子どもができたらオシャレは後回し」とか。

そして、こうした空気を感じ、「結婚しないほうが気楽でいいや」「今の状況じゃ子どもなんてムリ!」って思う人が増えているような気も。

でも、もし「犠牲と我慢? そんなん必要ナシ」「嫌なことはしなくていい!」って言われたなら……? それならもう少し肩の荷が軽くなって、結婚や出産に前向きになれたり、生きやすく感じたりする人も多いんじゃないでしょうか?

今回ご紹介するのは『嫌なこと全部やめたらすごかった』(小田桐あさぎ/WAVE出版)という本。実際に著者は好きなことだけをして最高の幸せを手にいれているそうで、これは仕事・家事・育児の両立という無理ゲーを攻略するための「ショック療法的な一冊」といえるかもしれません。

【薦められるがままに読んでみた。】

こちらの本、他のライターさんから激しくオススメされたもの。文体はかなり軽めですし、帯には「家事と育児は外注&やりたいときだけ」「六本木に住み年収10倍」など刺激的な言葉が並んでいて、本書の内容をすぐに受け入れられない人もいるかもしれません。

実は私もそうでした。けれど、読み進めていくうちに共感できる部分や、これまで私が考えていたこととシンクロする部分もあって。ここではそれを皆さんにもシェアできればと思います。

【1.結婚は自由で楽しいもの】

「結婚は人生の墓場」という言葉もあるように、結婚を不幸なイメージでとらえている人も多いかもしれません。具体的には、「夜に遊びに行けなくなる」とか「ちゃんと家事しなきゃいけなくなる」とか。

でも、著者の小田桐さんは結婚後は掃除・洗濯・洗い物という家事はほぼすべて家事代行にお願い。食事は基本的に外食もしくはデリバリー。毎月国内外に1人で旅行しているそう。結婚しても、自分のしたいようにして自由を楽しんでますよね。

とはいえ、これを私たちが今日明日から実行するのは難しい。でも、要は「何を優先順位の一番にするか」という話。家庭内でいちばん大事なことって、家事が完璧なことよりも「イライラせずにいつも笑顔でポジティブにいること」ではないでしょうか。

それなら、まずは「毎日掃除しなくても自分を責めない」「疲れてるときは無理してご飯を作らずにデリバリーにする」「たまに家事代行を頼む」などやってみるのはどうでしょう。実際、私もこうしていますが何の罪悪感もないですし、むしろそれで自分の身体と心が穏やかでいられるならいいことだと思っています。

【2.育児は自己犠牲ゼロでいい】

出産前、私は「育児は多大なる自己犠牲がともなう」と思っていました。子どもができたら母親というものは自分のことをすべて後回しにして子どもに尽くさなくてはならないんだろうな、と。

でも、実際に子育てしてみて今は逆に「子どもを自分の生きる第一目的にしてはいけない」と思っています。今の私は、夫と子どもという家族が根底にあって、そのうえで自分の生きがい(仕事はそのひとつ)を持っていたいという考えです。

「子どものためなら自分のことはすべて後回し、それが母親」という価値観はすごい脅威じゃないですか? 会社だったらとんだブラック企業。でも、ここでも「我慢=美徳」なんですよね。母親なら当然でしょ、ってなってしまうところがある。もちろん、そうしたい、そうできる人もいる。でも、できなくても悪い母親ってことはまったくない。

小田桐さんはどうかというと、自分を最優先する子育てを実践していて、娘さんが生後3か月のころから月2回は子どもを預けて夫婦でデート。ふだんもベビーシッターにお願いして飲みに行ったりエステやネイルに行ったりしているそう。子どもがいても、自分を犠牲にしていません。

【「我慢=美徳」はもうやめよう】

たしかに、結婚や出産で制限されることはあります。でも、必要以上に我慢することはないんですよね。そして、結婚や出産が「人生の楽しみの選択肢を増やす行為」と思えれば、もうこっちの勝ち。子どもや夫にしたって、自分の好きなことをしていつもイキイキしているお母さんや妻のほうがうれしいし、家族も円満になるんじゃないでしょうか。

たぶん「シッターや家事代行を払えるお金なんてない!」と言う人がきっといるでしょう。経済事情は家庭によってちがうので一概には言えませんが、たとえば1万円で月に1回家事代行をお願いしたり、シッターに預けて夫婦でデートしたり。これならできる人もいるかと思うし、まずは金額うんぬんより「呪縛を解いて考え方を自由にする」ことが大事だと思います。

ほかにも「我慢はエネルギーを消耗する」「やはり女は外見が1000%」「良い母親なんて目指しても無意味」「会社に行きたくない日は行かない」など、よくある自己啓発書とは一線を画す言葉が並ぶ本書。興味を持った方はぜひ手にとってみてください。

参考リンク:WAVE出版
執筆=鷺ノ宮やよい (c)Pouch

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