北斎作品に「猫」が参戦!? 江戸と現代の芸術家たちがコラボした「ますむらひろしの北斎展」が開催されます
有名な浮世絵だけど、よーく見ると猫がいる!?
東京・墨田区にある「すみだ北斎美術館」が、葛飾北斎の名画に猫がドッキングした展覧会「ますむらひろしの北斎展 ATAGOAL×HOKUSAI」を開催します。誰もが見知った作品にニャンコが溶け込む姿には驚くほど違和感がなく、すんなりと目に馴染んでいくから不思議です。
猫を描いているのは、猫と人との理想郷を描いた漫画「アタゴオル」シリーズを手がける、漫画家のますむらひろしさん。
2018年6月26日から8月26日まで開催されるという展覧会の会場には、この「アタゴオル」シリーズのキャラクターと北斎の浮世絵が合体したイラスト作品が、ずらりと並ぶそうなんです。
【そもそも「アタゴオル」とは?】
1976年に世に誕生した「アタゴオル」シリーズの主人公は、なにかと騒動を起こすユーモラスな猫・ヒデヨシ。「アタゴオル」と呼ばれる世界を舞台に、ヒデヨシと個性豊かな住人たちを描いた作品となっています。
【北斎絵画に不思議と馴染む…】
今回の作品は、ますむらさんが北斎の浮世絵を模写し、「アタゴオル」の要素を加え完成させたもの。その際に、ますむらさんが考える北斎絵画の解釈や姿勢、そして尊敬と畏敬の念を作品に込めたとのこと。
だから、誰もが見たことある北斎絵画に「アタゴオル」が混じっても、違和感を覚えず、むしろ自然に見えるのかもしれません。
【「アタゴオル」を知らない人でも楽しめる構成になっているよ】
貴重な資料もあわせた約140点が集結する展覧会は3部構成。
第1章は「アタゴオル」の世界を知ることができる「ますむらひろしの仕事-ATAGOAL の世界」。第2章は「アタゴオル」と北斎の代表作「冨嶽三十六景」がコラボした「ATAGOAL×北斎-冨嶽三十六景の世界」。
そして第3章は、「アタゴオル」と北斎の「富嶽百景」や「北斎漫画」といった作品がコラボした「ATAGOAL×北斎-さまざまな作品」となっておりまして、「アタゴオル」について知らないという人でも十分楽しめそう!
【北斎画とますむら作品を見比べることも◎】
個人的に注目しているのは、北斎の作品とますむらさんの作品が、一部並列されているところ。それぞれの違いを見比べることができますし、目で見て体感することで、ますむらさんの解釈を体感できるといいます。
もうひとつ見逃せないのは、美術館のためにますむらさんが描き下ろしたという新作、「漁師図」です。細部にいたるまでますむらさんの強いこだわりを感じることができるそうで、隅々までじっくり眺めたくなるわ~~~!
【注:前・後期で展示替えがあります】
すみだ北斎美術館の休館日は毎週月曜日(祝日7月16日は開館、翌日閉館)で、観覧料は一般が1000円。会期は前・後期に分かれておりまして、展示替えを実施。前期は6月26日から7月29日まで。後期は7月31日から8月26日までとなっています。
江戸時代と現代の偉大なる芸術家によるファンタジックなコラボレーションを、あなたのその目で、目撃してみてはいかがでしょうか。
参照元:プレスリリース、すみだ北斎美術館
画像:©ますむらひろし
執筆=田端あんじ (c)Pouch