「広い草原は空き地じゃない…」人気の観光地の北海道美瑛町が抱えている深刻な問題が話題になっています
夏休みがすぐそこまで迫っているので、旅行の計画を立てているという人も少なくないことでしょう。
国内で人気の観光地といえば、北海道。札幌に函館と見どころはさまざまありますが、中でも近年注目を集めているのが美瑛町にある “青い池” 。Apple社のパソコンの壁紙として採用されたことで、一気に知名度をあげました。
美瑛町にはほかにもたくさんの名所があって、その多くは大自然。広大な畑がどこまでも広がる農業景観そのものも観光スポットとなっているのですが、こちらで写真や映像を撮影する際には “マナーとルール” があることが、現在ツイッターで呼びかけられています。
【農地には立ち入らないで】
撮影に関するマナーとルールは、美瑛町のホームぺージにもしっかり明記されています。
マナーとして書かれているのは、「農作業の邪魔をしない」「ゴミを捨てない、また見つけたら自分のものでなくても拾う」など、ごくごく当たり前とも思えること。
その中でも、心にとどめておきたいのが「私有地である農地(畑・牧草畑・山林等)や宅地に立ち入らないこと」という項目です。どこまでも続く広い草原は、一見、空き地のように見えますが、そうではありません。
【菌や害虫が持ち込まれる可能性も…】
そもそも不法侵入であるということはもちろん、畑に立ち入ることで、踏み込んだ靴の裏の菌や病害虫が作物感染被害を起こす可能性があること。
冬期間は、雪で覆われていても下の農地は秋まき小麦などが栽培されていること。さらには看板表示のない農地でも私有地であることは変わらないことが、伝えられているんです。
【絶景を守っているのは地元の農家さんたち】
丘のまち・美瑛町にある個性溢れる農業景観をつくり出し、保全しているのは、この地域で暮らす農家の方たちの努力です。
美しい景観を後世まで守っていくために、農家さんの生産活動を妨げるような行為は慎んでほしいこと。撮影するときには、互いに譲り合いマナーとルールを守ってほしいことが、書かれているんです。
また、近年増えている “ドローンでの撮影” についても、「美瑛町内でのドローン(無人飛行機)による飛行、空撮は原則禁止されています」と言及されていて、改めてハッとさせられた次第。
【無意識にやってしまいそうだからこそ、気を引き締めたい!】
広大な敷地なだけに、看板の設置が難しかったり雑草が生い茂ったままになってしまったりと、農家さんの手が届かないこともしばしばあるようなので、写真を撮るときには細心の注意を払いたいところです。
旅先ではついついテンションが上がってしまいますし、絶景を目の前にしたらなお、興奮は高まってしまうものです。ですが、美しい景色というものは “誰かの努力によって守られている” ということを心に留めておくだけで、行き過ぎた行為に至らずに済むのかもしれません。
参照元:北海道美瑛町、Twitter
画像:ぱくたそ
執筆=田端あんじ (c)Pouch