【明治時代】女性たちが “髪型の自由” を手にした当時のヘアスタイルを発見 / 「まがれいと」「イギリス結び」など洋風髪形を紹介していました
本日4月5日は「ヘアカットの日」。
1871年(明治4年)に男性の散髪と脱刀が許可されたものの、これを受けて断髪をする女性が続出したため、「男性に限って許可した断髪を女性が真似てはならない」とする禁止令を発布。そうして翌年の1872年(明治5年)のこの日に、東京府が女子の断髪禁止令を出したことが由来なのだそうです。
女性にとっての “髪形の自由” が奪われた日が、「ヘアカットの日」って……。ちょっぴりモヤモヤしてしまいますが、この禁止令によって日本髪の時代はしばらく続いたといいます。
【日本髪から脱却したのは10年後】
千葉市美術館のウェブサイトによると、女性たちが念願の “髪型の自由” を手に入れたのは、それから約10年後のこと。
1883年(明治16年)に鹿鳴館ができたことで女性も洋装が認められるように。そして、その2年後の1885年(明治18年)には、より簡単にできる洋風の髪形を推奨する「婦人束髪会(ふじんそくはつかい)」が結成されました。
「従来の日本髪はまめに洗髪をすることもなく不潔であり、キツく縛ったりするので健康上有害。結髪代もばかにならないから不経済であるし、髪を直すのにも時間がかかる」……といった諸々の理由から、洋風の髪形へ移行しようという動きが起きたんです。
【どの髪型もフツーにかんわいいいい!】
さて、「婦人束髪会」が提唱した髪型とは、一体どんなものだったのでしょう? それを現代に伝える錦絵が、千葉市美術館ウェブサイトと国立国会図書館デジタルコレクションで公開されていました。
紹介されていたのは、長い髪の毛をくるくるっとドーナツ状に巻いた「西洋上げ巻」に「西洋下げ巻」(上げ下げは、髪の毛を留めた位置による)。
後頭部で三つ編みを長く結った「英吉利(イギリス)結び」。さらには後頭部で1本に結った三つ編みを輪っかにした「まがれいと」と、どれもハイカラ! 着物にも洋服にも合いそうなところに、時代を感じてしまいます。
【朝ドラの主人公にこういう子いたよ】
思えばこういったヘアスタイル、NHKの朝ドラなんかでよく見かけたような気がするゾ……?
特に「英吉利結び」と「まがれいと」に関しては袴とよくマッチしそうで、わたしがもし学生だったらトライしてみたかった~! レトロ可愛い髪型ばかりなので、今の時代に行うと逆に新鮮。ロングヘアのみなさんは、この機会に挑戦してみてもいいかもしれませんね♪
参照元:今日は何の日~毎日が記念日~、千葉市美術館、全理連
画像:国会図書館
執筆=田端あんじ (c)Pouch