中国にエッフェル塔が立ってる!? 「パリそっくりに作られた街」と「本家パリ」を比較する写真プロジェクト
中国には、パリをそっくり模倣した街があることを、みなさんはご存知でしたでしょうか?
その街の名は、浙江省杭州市にある「広厦天都城(こうかてんとじょう)」。
今から約10年前の2007年に建設が始まったこの場所には、100mの高さのエッフェル塔に、パリの街並みを思わせる建物。さらにはベルサイユ庭園にインスパイアされた庭園などがあって、言われなければまさか中国だとは思いません。
【写真プロジェクト「パリ・シンドローム」で見比べてみよう】
そんな「広厦天都城」と本家パリの町並みを比較する写真プロジェクト「パリ・シンドローム(Paris Syndrome)」を制作するのが、フランスの写真家フランソワ・プロスト(Francois Prost)さん。ホームページとインスタグラムでは、たくさんの “比較写真” が掲載されています。
【そのまんま「コピー」したみたいな街並みです】
この “そっくりさん” 現象は、“duplicate”(複製)と“architecture”(建築)の合成語 “duplitecture(複製建築)” と呼ばれるもの。世界各国の観光名所となっている建物を勝手に複製し造ってしまうことを意味します。
正直、何も言われなければ、中国の写真をパリだと思い込む人がほとんどなはず。
中国ではいわゆる “パクリ製品” が多く作られていることが有名ですが、わたしが過去に見てきた中国製の複製品は、どれも完ぺきとは言い難い仕上がりでした。しかし「広厦天都城」に関しては、完璧と言わざるを得ない! ここまで見事に街をコピーしたことにはむしろ、感心せずにはいられませんっ。
【ゴーストタウンと呼ばれていたけれど…】
海外サイト「Bored Panda」によれば、中国郊外に造られたこの住宅地には当初1万人が暮らす予定だったそうなのですが、瞬く間にゴーストタウン化した模様。しかしプロストさんによれば、2017年になると人口は3万人にまで成長したらしく、人数だけ見れば、街としてそれなりに成り立っているみたい。
建物はもちろん、銅像ひとつにもこだわって “コピー” されたその驚くべき街並み。プロストさんの作品を通してぜひご覧になってみてくださいね。
参照元:Francois Prost、Instagram @francoisprost、Bored Panda
執筆=田端あんじ (c)Pouch