自分の夢を店内で語ることができるラーメン屋ですと!? 海外から逆輸入された異色のラーメン屋「Yume Wo Katare Tokyo」に行ってみた
文京区といえば文人ゆかりの場所があり、東大やお茶の水女子大など、大学も多いエリア。その文京区は白山に「Yume Wo Katare Tokyo」という、自分の夢を店内で語ることができるラーメン屋があります。
実際に行ってみたら、「ここは古き良き時代の下町にあったような、人情ラーメン屋さんだわ」と感じるおもしろいお店だったので紹介します!
【お店の外に熱い心がダダ漏れ】
都営地下鉄三田線の白山駅から徒歩1分。青い看板に大きく「Yume Wo Katare Tokyo」と書いてあるお店が見えてきました。
店のガラスには「私たちは夢を語れる場所を目指してオープンしました。ここで夢を語ったら『夢が叶う! いや、ここで語ったからこそ、叶えるんだ!』そう思ってもらえる場所にしたいです」という張り紙が。熱い! 店の外にまで熱い心があふれているようです。
【笑顔が爽やかな店主に招き入れられる】
ラーメン屋さんに不慣れな私がモジモジしていると、中から店主が出てきてくれました。実は、店主は元横浜DeNAベイスターズの小林公太氏。爽やかな笑顔に緊張がほぐれます。
ラーメンの種類は「豚らーめん」と「ラーメン」の2種。違いは豚肉の量とのことだったので「ラーメン」を選択し、食券のボタンをぽちり。食券を受け取ると、食券にも金の文字で「夢」と書かれていました。
【ラーメンを食べたあと、夢を語ったり書いたりできる!】
このお店は、ラーメンを食べたあとに自分の夢を発表することができます。その方法は、次の4通り。
・ 同行者に熱く夢を語る
・ 居合わせたお客さんに夢を語って聞いてもらう
・ 店員さんに「夢、聞いてください」と声をかけて夢を聞いてもらう
・ 特製のシートに夢を記入し、店員さんに渡す
お店のあちこちに「ぼくたちの夢は、ここで皆様の夢を1万個の集めて、ギネスブックに申請することです」と書かれていて、見ているとお店の人の夢達成に協力したくなります。
【ラーメンは大満足の味、どでかい豚でお腹いっぱい】
「量が多いよ」と聞いていたので、麺少なめ&トッピングなしでオーダーしたのですが、それでも出てきたのはドーンとしたラーメン!
目を引くのは、もやしにたっぷり乗せられた塊あぶら。醤油系の濃厚そうなスープに麺がちらりと見え、大きな豚肉が添えられています。
スープを飲んでみると、やや甘めで濃厚なのに、さらっとしていておいしい! もやしはシャクシャクの歯触りで、麺は平打ち太麺でコシが強く、しっかりとした食べ応え。メインの大きな豚肉はジューシーでほろりと口の中でほぐれていきます。
食べきれるかなと心配したのもつかの間、一気に食べてしまいました。お腹いっぱいで大満足。
【ボストンにあるラーメン屋「Yume Wo Katare」の逆輸入です】
実はこのお店は、アメリカ・ボストンにあるラーメン屋「Yume Wo Katare」の逆輸入バージョン。ボストン店では、たくさんの人がラーメンを食べた後、店内にいる人に向かい「I have a dream. I want to ….」と夢を発表しているんですって。
【若者にゴチするシステム「ポジティブサイクル」もフル稼働】
ちなみに、白山店には「ポジティブサイクル」なる仕組みがあります。「ポジティブサイクル」とは「若者にラーメンを食べて夢を語ってもらいたい」と思ったお客さんが、ラーメン代をお店に託し、それで若者が無料でラーメンを食べられるというシステムです。
これにひんぱんにお金を託しているという男性に話を聞いたところ
「中高生の頃、部活帰りに地元の見知らぬおっちゃんたちに「おーい、食べていけよ」ってよくラーメンをごちそうしてもらっていたんです。だから自分も社会人になって、お財布に余裕がある時はお金を置いていっています。それで誰かがうれしい気持ちになってくれたらいいなって」
と話してくれました。この下町みたいなゴチの連鎖、なんだか人情を感じてあったかいですよね。
【ノスタルジックな気持ちでポジティブサイクルに参加】
私もポジティブサイクルに参加したい! そう思って専用ボトルを自分の席に運んだところ、隣席でビールを飲んでいた男性が「お金を入れたいの? だったらこれあげる」となぜか千円札をくれました。
男性は、「そこに入れるかどうかは自由だよ。好きなことをしなさい」とニコニコ。ひっさしぶりにお小遣いをもらったようなノスタルジックな気持ちになりつつ、その千円札をボトルに入れました。これで誰かがラーメンを食べておなかいっぱいになったらいいな……。
【交流が生まれるラーメン屋】
こんな交流が生まれるのは、今回だけではない様子。奥の席に座った近隣大学の野球部の学生が、元プロ野球選手の店主に練習方法を相談していました。夢の実現のため、店員や居合わせたお客さんと相談する人もいるんですって。
私の隣に座った常連客の男性に「ここで夢を語っているんですか?」と聞くと、「“ここでビールが飲みたい” みたいな、小さな願いを言って叶えてもらうこともあるけど、何よりここで店主たちとちょっと話すのが好きなんだよね」と教えてくれました。
【私の夢は……】
ラーメンを完食しておなかいっぱいになったところで、私も夢を語ってみることに。店主を呼んで「夢、聞いてもらっていいですか?」とお願いしました。
その日、私がそこで語ってきたのは「Yume Wo Katare Tokyoを記事にして、多くの人に読んでもらいたい」ということ。今、夢はかなったみたいです。
2017年もあと5ケ月。年初に立てた目標の進捗具合はいかがですか? ちょっと停滞してる……なんてときは「Yume Wo Katare Tokyo」で夢を語ってみてはいかがでしょう?
■店舗情報 Yume Wo Katare Tokyo
住所:〒113-0001 東京都文京区白山5-36-14
営業時間:11:30〜14:00、17:30〜21:30
アクセス:白山駅A1出口から徒歩1分
定休日:日曜日(不定休あり)
臨時休業のお知らせ等:Twitter @yumekata1128
※掲載の情報やデータはすべて取材時(2017年8月)のものです
取材・撮影・執筆=Felix清香 (c) Pouch