年上のお姉さんだと思ったらオジサンだった!! 児童ポルノ被害が起きた過去の例をチェックしておこう
「知らないおじさんについていっちゃいけません」これはわたしが幼い頃よく親から言い聞かせられてきた注意であり、多くの人が子供の頃によく聞いていた言葉だと思うんです。
しかし、ネットを通して知らない人とコミュニケーションを取る機会が格段に増えた現代においては、注意の内容が少し変化してきているよう。「知らないおじさんに自撮り画像を送っちゃいけません」とでも言うべき事態に発展していっているようなんです。
【SNSを利用した「児童の性犯罪被害」が急増中】
警察庁と文部科学省によれば、現在ツイッターやLINE、インスタグラムなどのコミュニティサイトを通じて、児童買春や児童ポルノなどの性犯罪被害にあった子供が急増しているのだそう。女性だけでなく男性にも被害がおよんでいるらしく、強く警鐘を鳴らしています。
ネットを利用した性犯罪被害の例として挙げられているのは、次のような例です。
その1:「自分の裸の画像を送信しろ」と言われて送ってしまう
イケメンモデル(実際はなりすまし)に気に入られようとして、写真を送ってしまったり、連絡先と顔写真をばらまくと脅されて写真を送ってしまったりも。
さらには、オンラインゲームやゲームアプリで知り合った人とSNSで連絡を取るようになり、画像をせがまれた女子中学生もいたようです。
その2:家出をそそのかされる
親とけんかをした女子中学生が、宿まる場所を求めてコミュニティサイトに書きこんだところ、車で迎えに来た男から家出をするようにそそのかされ、そのまま男の家に連れて行かれました。
その3:男子中学生も被害に
コミュニティサイトで知り合った男と実際に会った結果、わいせつな行為をされ、その様子をデジタルカメラで撮影されたケース。被害者の男子中学生は「学校にばらす」と脅されていたそうです。
【おもに高校生と中学生が被害に】
平成28年にコミュニティサイトを通じて児童買春や児童ポルノ等の犯罪被害にあった子供は、1736人。前年と比べて84人増えており過去最多で、被害にあった子供の半分以上は高校生でした。
また同年に児童ポルノ事犯の自撮り被害にあった子供は480人。前の年と比べると104人も増えていて、被害にあった子供の半分以上は中学生。その7割強がスマートフォンを通してコミュニティサイトにアクセスし、被害にあったそうです。
夏休みは、いつも以上に子供たちの様子に気をくばる必要がありそう。
大人が見守るには限界があるけれど、子どもが使うスマホにフィルタリングを掛けたり、 日頃からSNSの使い方について話し合い、困ったことがあったらすぐ相談するよう呼びかけるなど、未然に防げるよう注意しておきたいですね。
【卑劣な “なりすまし” に注意!】
ただし、十分に気をつけているつもりでも落とし穴はあります。「公益財団法人警察協会」ウェブサイトによれば、ネット上の相手が “年上のお姉さん” だと思って下着写真を送ったら、相手は成人男性だったというケースも。
また「日テレNEWS24」ウェブサイトには、19歳のイケメンモデルを装って未成年と画像のやりとりをしていた46歳男性の例が挙げられておりました。
【相談できる窓口があります】
「下着姿の写真を送ってほしい」「裸の写真を送ってほしい」といった要求は、明らかに過度なもの。ネット上で楽しく会話していた相手だったとしても応える必要がないもので、最初から疑ってかかっていいとわたしは思います。
また「警察にバラしたら家族にバラす」など脅されている場合も、匿名で相談できる窓口がありますので、ぜひ利用してください。夏休み中のお子さんをお持ちの方だけでなく、この記事を読んでいるみなさんも、どうかくれぐれも気をつけて。
参照元:警察庁 文部科学省「夏休みを迎える君たちへ」、公益財団法人警察協会、日テレNEWS24、内閣府男女共同参画局 相談窓口
執筆=田端あんじ (c)Pouch