【150円】まるで手紙のような小説『何者からかの手紙』を買ってみた / 手紙の宛先は「私」で始まる不思議な物語…
ある日、家に帰ったら郵便受けに不思議な手紙が入っていた……
そんな妄想をせずにはいられない、物語好きの心をくすぐるちょっと不思議な小説があるのをご存知でしょうか。
BOOKSOUNDS から発売されている、その名も「何者からかの手紙」は手紙型の小説。SNSで話題になってから、売切が続いていたのですが……先日ようやく手に入れることができたのでご紹介します。
【3通の手紙】
今回、私の元に届いた(購入した)のは3通の手紙。1通150円(税抜き)と、手に取りやすい価格です。
「博士からの手紙」
「ひつじからの手紙」
「調査員からの手紙」
どの差出人も気になりますよね?
【まるで本物の手紙のよう】
レトロな封筒はのりで封がしてあって、飾り気がないのがとってもリアルです。
どの封筒にも、中には4枚の便箋が入っていました。
【気になる中身は……】
今回は「ひつじからの手紙」の冒頭をご紹介しましょう。
私はもう、この冒頭だけでこの世界に引き込まれてしまいました。本当なら全部をご紹介したいぐらいなのですが、ネタバレしない方が絶対に楽しいので我慢します。
小説なのでもちろん不特定多数に向けた内容のはずなのですが、不思議と自分だけに書かれているかのような錯覚におちいってしまいます。手紙を受け取って自分が物語の一部に組み込まれたような楽しさがあるのです。
そして最後に「追伸」が書かれているものもあるのですが、これがまた可愛くてちょっぴりシュールで、見事なオチになっていて面白いのです。もしお手にとられた方は確認してみて下さい……!
【集めたくなる不思議な魅力】
他の「博士からの手紙」「調査員からの手紙」もそれぞれに物語があって、でもやっぱり「手紙の宛先は私」という、何とも不思議な気持ちにさせてくれました。
しかも、差出人はそれぞれにチャーミングで可愛らしいんです。他の差出人も気になったので調べてみたら……確認できただけでも59種類ありました!(2020年2月現在)
「セールスマンからの手紙」、「どろぼうからの手紙」といったものから「昨日からの手紙」や「話題からの手紙」など人間じゃない差出人も多いですね。一体どんな内容なのか気になって、全てそろえたくなってしまいそう。
【どこで出会えるの?】
とっても興味深い小説ですが、取り扱い店舗は少なめです。
・北海道 tronika、本を読まない人の本屋「wonderfulworld!」
・青森 古書らせん堂、八戸ブックセンター
・福島 Go Go Round This World! Books&Cafe
・東京 タコシェ、Amleteron、神保町いちのいち、ヴィレッジヴァンガード 立川ルミネ店
・千葉 ヴィレッジヴァンガード 柏マルイ店
・愛知 幸田駅前書店
・京都 ホホホ座
・大阪 (本)ぽんぽんぽん
・広島 紙片
・福岡 六本松蔦屋書店
・長崎 ひとやすみ書店、本処てるてる
(2020年2月現在)
「古本トロニカ」 さんでは通販も可能だそうですが、人気で品切のことも多いようです。
もし興味のある手紙を見つけたら、ぜひ手にとってみて下さい。「これが自分の郵便受けに入っていたら……」と想像しながら読み進めると、楽しさが倍増しますよ!
参考リンク:BOOKSOUNDS
執筆・撮影:五條なつき
Photo:(c)Pouch