空港でさまざまな国の人々を撮る「100カ国100人」プロジェクト / 美しい写真たちがすてきな異文化を見せてくれます
トルコのアタテュルク国際空港は、同国最大の都市・イスタンブールの玄関口にして、航空便の重要な乗り継ぎ(トランジット)地点。
ここで働くムスタファ・カンカヤ(Mustafa Cankaya)さんは、舞台やポートレイトを得意とするフォトグラファーでもあります。彼女がいま “国際空港” という場所を最大限に生かして挑んでいるのは、「100faces100countries」という名のプロジェクト。
空港をトランジットで利用する人たちに協力してもらい、100カ国100人分の写真を撮影するという非常にユニークなもので、2018年12月27日の時点で82カ国129人分の写真が集まっているようなんです。
【展覧会開催まであとちょっと!?】
100カ国100人分という目標が達成された暁には展覧会を開きたいという、カンカヤさん。
撮影されたポートレイトは1人につき2枚で、1枚目は正面から撮影した顔写真、2枚目は「本を読む」「コーヒーを飲む」といった “空港でトランジットの待ち時間を過ごす様子” が写されています。
【若者たちに交じる年配男性の存在感よ】
カンカヤさんのインスタグラムにはこれまでプロジェクトに協力してくれた世界中の人々の写真が投稿されていて、見ごたえたっぷり。
男女問わず個性豊かな “モデル” たちがずらっと並んでいる印象ですが、見たところみなさん20~40代といったところで、比較的若い方ばかりなことに気がつきます。
もちろん年配の方もチラホラいるのですが、3月にプロジェクトのトップバッターを務めた西アフリカ・マリ共和国のジャジャさん(男性)をはじめ、年配男性のあごひげ率の高いこと~! トルコはイスラム圏ということで、やはり空港でもおひげを大事にするイスラム文化の勢いが強いということかもしれませぬ。
しかし、そのように立派にたくわえられたひげがドレッドヘアのような形状になっていたりするので、その “只者ではない” 感じに興味をそそられてしまうんですよね。
【モデルさんたちの人物像や生き方を想像するだけで楽しい】
100人のひとびと、100の国々。その背景には100通り、いやそれ以上の数々の物語がある。そんな当たり前のことを美しい写真とともに思い出させてくれるこのプロジェクト、必見です。
この人はこれまでどんな人生を歩み、何をしにここへきて、これからどこへ向かい、その後どんな人生を歩んでゆくのか。シンプルで静かな写真であると同時に、観る者の想像力をめいっぱい刺激してくれる写真でもあるので、さっそくご覧になってみてください。
(ところでアタテュルク国際空港は、新空港の完成と同時になくなってしまうという報道があります。「100カ国100人」プロジェクトは世界最大ともいわれる新空港に移って続くのか、こちらもちょっと気がかりです。)
参照元:mustafa cankaya photography、Instagram @100faces100countries
執筆=田端あんじ (c)Pouch