スシ、ラーメンの次は「ヤキソバ」がヨーロッパでブームの予感! …でも実際に食べてみたら、どこかおかしい気がする件
いま、ヨーロッパでもじわじわ人気の和食メニューがあります。それは、「ヤキソバ(YAKISOBA)」。日本人なら嫌いな人は少ないだろうこのメニュー、食文化の豊かなヨーロッパで受け入れられているなんてちょっとうれしい!
……ところが、海外のYAKISOBA、日本人の思うものとはちょっと違うようなんです。
スーパーで出会えるそれは、インスタント麺。カレー味やヤキトリ味(!?)など、いろいろなフレーバーがあるし、食べてみるとそのどれも日本では味わえないテイスト……。なんだ、こりゃ!?
というわけで今回は、スペイン・フランス・オランダのスーパーで見つけた、ずいぶんと姿を変えたヤキソバたちをご紹介します。
【スペインでは、パスタと同じ位置付け?】
スペインのバルセロナで立ち寄った、フランス系スーパーの「カルフール」。こちらのパスタ売り場で発見したのが、ブイヨンでおなじみのブランド「マギー」が出しているYAKISOBA。
スペインでは、焼きそばってパスタと同じ位置付けなのか……! どちらも麺であることには間違いないけれど、かなりの違和感です。
棚にずらりと並ぶYAKISOBAを観察してみると、クラシック(ソース味)、カレー味、チキン味、チリ味と味の種類がとっても豊富。
東南アジアのスーパーでたくさん見かける「ミーゴレン(インドネシアの汁なし麺)」を思わせるラインナップです。それにしても、バルで飲むビールが1杯1.5〜2.5ユーロ程度(約200〜320円)のバロセロナの物価からすると、インスタントYAKISOBA1袋が1.54ユーロ(約200円)は、ちょっと高い!
【和食ではなく、もはやタイ料理】
続いて、フランスのスーパーで見かけたYAKISOBAです。当地の大型スーパーには、多くの場合アジア食品のコーナーがあり、YAKISOBAはこちらのコーナーに陳列されています。
大型スーパーで近頃よく見かけるのが、中国浙江省に本部を置く食品会社・Green Homeの海外向けブランド「ヌードル・マスター」から発売中のもの。
「ビーフ&ライム味」に「スイート・タイ・チリソース味」など、焼きそばというよりタイ料理っぽい感じ。なぜ焼そばと名乗るのかわからない! でもなんだかおいしそうなので、ついつい買ってしまいました。
「スイート・タイ・チリソース味」を食べてみたところ……うわぁああああ何だコレ!? 焼きそばでも、タイヌードルでもない、とても不思議な味。魅力的なパッケージとは裏腹に、おいしいとは言い難いYAKISOBAでした。これが焼きそばだなんて、切ないなぁ……。もう一度言うけど、なぜヤキソバを名乗る。
【オランダで見つけたカップ焼きそば】
気を取り直して、最後はオランダのスーパー「アルベルト・ヘイン」で見つけた「Soba(日清焼そば)」です。さすがは日清フーズヨーロッパ、パッケージの写真が日本のインスタント焼きそばっぽい雰囲気。
フレーバーはクラシック(ソース味)、ヤキトリ味、テリヤキ味、スキヤキ味、チリ味など、こちらもちょっと攻めのラインナップ。フレーバー名として通っているところを見ると、ヤキトリ・テリヤキ・スキヤキは、海外進出を果たした先輩といったところでしょうか。
この「Soba(日清焼きそば)」は、インスタント焼きそばの元祖・日清食品が関わっているだけあって、とてもよい出来。私の暮らしているフランスのスーパーでもよく見かけるので、時々お世話になっています。
クラシックは日本でおなじみの「日清焼きそば」に近い味で、麺の食感も味も日本人好みだと思います。これこれ、本当の焼きそばはコレよ〜っ!! ちなみに私はチリ味が好きです。
とりあえずインスタントの汁なし麺としてヨーロッパに浸透していっているとおぼしき、ヤキソバ。SUSHIやRAMENのように、YAKISOBAが世界に名を馳せる日もそう遠くないかもしれませんね。
取材・撮影・執筆=sweetsholic (c)Pouch