ふらっと、女ひとりで屋台ラーメンを食べに行ってみた / 暖簾をくぐり「やってますか?」を言うのに勇気が必要だったけど…
気持ちのいい風、柔らかい日差し。過ごしやすい季節になると、ふらっと何処かへいきたくなります。そう、寄り道の楽しい秋がやってきたのです! わーい!
毎月1のつく日(1日、11日、21日だけ)は「ステキなぼっちの日」です。Pouchでは担当ライターが体を張ってぼっちの限界に挑み、ぼっちの可能性を広げるべく、世の中のさまざまな場所でぼっちでも楽しく過ごせるかどうかを誠心誠意、検証しています!
今回は、偶然みつけた東京の屋台ラーメンです。
【実は絶滅しつつある屋台ラーメン&おでん】
昔のドラマや漫画には描かれている屋台ラーメン&おでん系。愚痴を言ったり、好きな人を口説いたり、「このうどん野郎!」と殴られたり、なにかとドラマがあるなぁ〜と思っていました。んが、東京に来て10年、正直見たことがありません。
調べてみると、警察の取り締まり、衛生管理問題、店主の高齢化などが原因で減りつつあるとのこと。しかし、水道橋駅の東口で屋台を偶然みつけたのです!
【屋台発見! しかし…オープンしてる?】
ところが、このラーメン屋台はどうも開店時間がかなり遅いよう。
21時過ぎ。水道橋駅東口に車よりも小さい屋根付きのリアカーを発見。これが屋台ラーメンなの!? 恐る恐る近づいたものの暖簾も提灯も出ていません。ちょっと様子を見て時間を潰すことに。
21時30分。リアカーから机が飛び出し、椅子が並び、徐々にお店っぽくなってきた! けど……まだ店は暗い。勇気がないので30分時間を潰しました。
22時。もうお腹が限界でござる……。ふらふらっと屋台に近づき、暖簾をくぐり「やっていますか?」と、気づいたら声をかけていました。空腹のパワーおそるべし。
【小さな屋台から生まれるラーメン】
屋台の中は、本当に小さくて、カウンターに座るとヒザに車輪が当たるほど。だけど、これが、これがいいのだぁああああ!
屋台の中には、グツグツと煮えたスープとお湯の入った鍋がふたつ、壁には小さな引き出しがいくつもあって、ラーメンに必要な道具が入っています。こんな小さな屋台に、ラーメンが作る道具がありとあらゆる方法で収納されている! すごい、すごすぎるよーーー!
そして、年季の入った道具でラーメンを作る姿を見ていると、何年も何十年もやっているのかな、これまでどんな人と出会ったのかな……と思いを馳せてしまいます。
【優しい味だよ…おやっさん!】
今回注文したのは700円の「拉麺」。スープがギリギリまで入った拉麺を「おまちどうさま」と優しくカウンターに置いてくれた店主。「いただきます!」と自然と声がでます
具は、ネギ、チャーシュー、卵、海苔、めんま。オーソドックスな醤油ラーメンで、これぞ「屋台のラーメン」という感じ。
麺は細くて柔らかく、ズズーっとスープを吸うと、優しい醤油味が五臓六腑に染み渡ります。ほっこりしつつ、チャーシューをパクリ。うんまい、やっぱりチャーシューメンにすればよかったかな、また来ればいいか。
そんな独り言を思い浮かべつつ、食べ進めていると、「ラーメンだ」「美味しそう〜!」と道行く人の声が常に聞こえ、お客さんが増えていきます。ネギを切る店主の手も早くなっていきました。
【総括:ふらっとひとり屋台ラーメン、いいぞ!】
初の屋台ラーメンは、屋台も店主も歴史も全部含めて “ここでしか食べられない味”を感じる貴重な場所でした。最初は年季の入った屋台が怖くて勇気が必要だったけど、入ってよかった。だからこそ、無くなるのが寂しくも感じました。おやっさん、どうか元気に頑張ってください。ごちそうさまでした。
孤独度:★
勇気度:★★★★★
ほっこり度:★★★★★
撮影・執筆=百村モモ (c)Pouch