「氷山」に見えるけど実は「海に浮かぶレジ袋」…ナショナルジオグラフィック6月号の表紙は地球問題を一瞬で考えさせる素晴らしいデザインになっています
「地球か、プラスチックか(Planet or Plastic?)」
この印象的なコピーが表紙に記載されているのは、雑誌「ナショナルジオグラフィック」の最新号にあたる2018年6月号。文字の背景には、海に浮かぶ氷山に見せかけたプラスチック製のレジ袋が描かれています。
だまし絵のような構図が目を惹くのと同時に問題の深刻さもうかがい知ることができる、 “センスの塊” のような今回の表紙。このデザインを絶賛する人は非常に多く、ネットユーザーからは「天才」「パワフル」といった声が次々に挙がっているんです。
【描いたのはメキシコのアーティスト】
ナショナルジオグラフィックのシニア・フォト・エディターを務めているヴォーン・ウォレス(Vaughn Wallace)さんのツイッターによれば、表紙の絵を手がけたのは、メキシコのアーティスト、ホルヘ・ガンボア(Jorge Gamboa)さんとのこと。
また、ナショナルジオグラフィックでは、定期購読の配本について「6月号からは雑誌のビニールカバーをやめて紙に変える 」ともつぶやいていました。この試みはアメリカ、イギリス、インドですでにスタートさせていて、2019年末までに他国でもビニール包装をやめるよう求めているそうです。
【日本語版もいいんだけれど…】
6月号は日本語版もリリースされていて、表紙の絵は全く同じなのですが、コピーは「海を脅かすプラスチック -漂うレジ袋は氷山の一角- 」。パッと見た印象が、かなり異なるんです。
詳しい説明をプラスすることでよりわかりやすくはなっておりますが、英語版の仕上がりが素晴らしすぎて、どうしても比べてしまいます。シンプルなメッセージが持つ力強さを、再確認せざるを得ないわ……!
【手に取って読んでみたくなります】
ちなみに肝心な雑誌の内容はといいますと、特集は、廃棄された大量のプラスチックが海へ流出していることを取り上げた「海に流れ出るプラスチック」。そしてプラスチックにまつわる課題を、生き物・健康・アート・削減と4つの視点からレポートした、「プラスチック4つの視点」となっています。
そのほかにも興味深い内容がそろっておりますので、ナショナルジオグラフィックを読んだことがないという人も、この機会に手に取ってみるといいかも!
またYouTubeには、6月号の表紙にちなんだ22秒の映像も公開されています。こちらも何度も観てしまうくらいに秀逸ですので、ぜひぜひ併せてご覧になってみてください。
参照元:National Geographic、ナショナルジオグラフィック日本版 [1] [2]、YouTube、Amazon [1] [2]、Twitter @vaughnwallace
執筆=田端あんじ (c)Pouch