映画『SING / シング』はビートルズからきゃりーぱみゅぱみゅなど超人気ミュージックが大集合! 動物たちのノリノリ歌唱は爆笑と感動の渦です!
【公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
今回ピックアップするのは、あの『ミニオンズ』を製作したユニバーサル・スタジオの新作映画『SING/シング』(2017年3月17日公開)です。大ヒット作『ラ・ラ・ランド』や『モアナと伝説の海』、そして4月公開のミュージカル映画『美女と野獣』など、今年はミュージカルの当たり年になりそうな予感がします。
そんな勢いあるミュージカル映画の中でも、ヒット曲満載のポップな音楽アニメーション『SING/シング』は最高です。もう楽しくて楽しくて! ではサクっと物語をご紹介。
【物語】
動物たちが暮らす世界。劇場支配人のバスター・ムーン(声:マシュー・マコノヒー)は、つぶれそうな劇場を立て直そうとオーディションをすることに。シロウトでも歌える人が集まれば、劇場は再び活気を取り戻すと思ったのです。
集まったのは下町のゴリラのジョニー(声:タロン・エジャトン)、あがり症で内気なゾウのミーナ(トリー・ケリー)、ヤマアラシのロッカー、アッシュ(スカーレット・ヨハンソン)、専業主婦ブタのロジータ(リース・ウィザースプーン)など個性的な面々ですが、みんなそれぞれ私生活に問題を抱えていて、なかなかコトは巧く運びません。劇場再建はうまくいくのでしょうか~。
【『ズートピア』を超えた!音楽が彩る動物界が楽し過ぎる】
動物たちが人間のように暮らす世界といえば『ズートピア』がありましたが、『SING/シング』はよりエンタティメントに徹していて、劇場が舞台なだけに音楽を愛する人々と歌に溢れています。
オーディションで歌手とダンサーを集めて盛り上がろうとするものの、ちょっとしたミスで賞金額が上がってしまい、本気にした人たちが殺到! でもその中でも残っていくのは本当に歌を愛する動物たちなのです。「歌手になりたい!」と思っても、様々な事情から飛び込めない動物たちが、自分たちの抱える問題に決着をつけて、スポットライトをあびる姿は感動的。
特に、本当は歌が大好きでやさしいゴリラのジョニーなんて親がギャングだから「歌が好き」って言い出せなくて、ワザと強面ぶったりして……もうキューンですよ。もちろん笑いも満載。支配人のバスター・ムーンはどこかツメが甘いし、歌って踊れるブタのグンターはベタな笑いを提供し、自己中なジャズ・ミュージシャンのネズミのマイクがブラックな毒をまき散らす。隅から隅まで楽しさがギッシリ詰まった最高のエンタティメントアニメなのです。
【世界の名曲ポップ&ロック64曲に大興奮!】
そして何より心踊らされるのが、世界の名曲の数々!選曲は年代問わずなので、大人は懐かしい!と泣き、若い人はコレ好き~!と叫ぶはず。ちなみに一部をご紹介しますと、「ゴールデン・スランバー」(ザ・ビートルズ)「バッド・ロマンス」(レディ・ガガ)「クレイジー・イン・ラブ」(ビヨンセ)「ジャンプ」(ヴァン・ヘイレン)「シェイク・イット・オフ」(テイラー・スウィフト)など、いっぱいありすぎ。
特に、ジョニーの歌うエルトン・ジョンの「アイム・スティル・スタンディング」と、ヤマアラシのロッカーのアッシュのかっこいいステージに個人的には大感動でした。ちなみに日本代表としてきゃりーぱみゅぱみゅの「にんじゃりばんばん」をレッサーパンダのユニット、キューティーズが歌って踊っているのにも注目です。
【音楽が世界に平和をもたらす】
とにかく全体に音楽が散りばめられていて、歌が大好きな動物たちが、歌うことで発散したり、吹っ切れたり、反対していた家族を説得させたりするんですよ。みんなが幸福になれる歌っていいな、音楽って素晴らしいなと、この映画を見てしみじみ思いましたね。サントラも買いです!
声優陣も豪華な面々で、歌える俳優を揃えたそう。みなさん堂々たる歌いっぷり! スカーレット・ヨハンソンのハスキーボイスのシャウトなんてかっこいいですよ。
日本語吹替え版の声のキャストでは、MISIA&スキマスイッチの大橋さんが声優に挑戦しているのも話題だし、トレンディエンジェルの斎藤さんが歌って踊るブタのグンターをノリノリで演じています。声優界のキング、山寺宏一さん、クイーンの水樹奈々さん、プリンスの宮野真守さんも! 字幕版と日本語吹替え版、両方見てもいいかもしれませんね!
執筆=斎藤 香(c)Pouch
『SING/シング』
(2017年3月17日より、TOHOシネマズ日本橋、新宿バルト9ほか全国ロードショー)
監督:ガース・ジェニングス
声の出演:マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、セス・マクファーレン、スカーレット・ヨハンソン、ジョン・C・ライリー、タロン・エジャトン、トリー・ケリーほか
日本語吹替え版(声の出演):内村光良、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥、斎藤司、山寺宏一、坂本真綾、田中真弓、宮野真守、水樹奈々、大地真央ほか
(C)Universal Studios.