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織田信長を救え! アラサー失業女子が奮闘する映画『本能寺ホテル』現世と戦国時代を行ったり来たりするヒロインが見た本能寺の変とは【最新シネマ批評】

   


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【公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、綾瀬はるか、堤真一が主演する歴史エンタティメント映画『本能寺ホテル』(2017年1月14日公開)です。

本能寺といえば、“本能寺の変”。織田信長が人生の幕を閉じた場所でもあります。何度も映画化、ドラマ化されてきたのはご存じの通り。織田信長ファンが集まりそうな名前のホテルで起こる、不思議な出来事を描いたのが映画『本能寺ホテル』なのです。

【物語】

勤めていた会社が倒産して落ち込む倉本繭子(綾瀬はるか)は、婚約者(平山浩行)の両親の金婚式に出席するため、京都にやって来ます。そこで宿泊することになったのが本能寺ホテル。

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レトロな雰囲気のこのホテルで、エレベータ―を降りて部屋へ行こうとしたら、そのフロアは戦国時代。「?」という顔でウロウロしていると、森蘭丸(濱田岳)に見つかります。

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トンチンカンな会話を重ねて、徐々に自分が現世と戦国時代を行ったり来たりできることに気付く繭子。失業中で落ち込んでいた彼女ですが、本能寺で織田信長(堤真一)と出会い、その家臣たちとの交流に心が踊るような気持ちに。

しかし彼女が本能寺にタイムスリップした日は、本能寺の変の1日前だったのです……。

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【職を失ったアラサー女子が戦国時代へ!】

織田信長は本当に人気がありますね。いくつもの映画やドラマが作られています。最近でも映画とドラマと両方がヒットした『信長協奏曲』や、ドラマ『信長のシェフ』、そのほかゲーム界でも大人気です。

しかし、いずれも信長メインの男のドラマ。でも本作は女性が主人公というのが新鮮です。現世から戦国時代へトリップしたヒロインが信長とどう対峙するのか、それによって彼女がどう変化するのかが、この映画のテーマでしょう。

働いていた会社が倒産し、なかなか次の仕事が見つかなくて焦っているときに恋人にプロポーズされたものの、「このまま結婚していいのか」とモヤモヤした気持ちを抱えたままの繭子。そんなときに本能寺ホテルに出会い、戦国時代へトリップ。とんでもない体験へと突入していくというわけです。

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【信長を救うために奔走するヒロイン】

戦国時代へ飛んでしまい、織田信長に出会うという設定なので、もしや信長と秘められた恋? とか、信長に対抗する戦国の女武将になる? とか、信長の家臣になったりしてとか、いろいろ想像していたのですが、繭子は繭子のままでした。

でも繭子のまま、彼女自身、歴史ドラマでしか知らなかった信長の人となりに触れたり、家臣の人達と交流を持ったりすることで、モヤモヤしていた彼女の気持ちは晴れていくのです。そして、彼女は気付く……翌日に本能寺の変があることを! なんとか阻止したいと彼女が動き出すと、現世に戻ったりして、そのもどかしさがスリルの一端を担っています。

また、信長を助けたいと行動する繭子は、これまでの彼女から見ると想像できないアクティブさ。周りの意見に流されて生きてきた彼女は、自分で判断し、行動を起こすことが人生を動かすということを知るのです。この映画は悩めるアラサー女子の背中を、信長が押してくれる映画なんですよ。

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【本能寺ホテルのヴィジュアルはあの映画の影響大?】

本能寺ホテルの内観を見て思い出したのは、ウェス・アンダーソン監督作『グランド・ブタペスト・ホテル』。気のせいと言われたら、そうかもしれないけど、佇まいとかエントランスの見せ方とか、若干参考にしたかなという印象がありました。ホテルが舞台とはいえ、繭子はホテルにいるときは、ほとんどタイムスリップして本能寺に行っちゃうんですけどね。

奇想天外な事が次々と起こるというより、ちょっと天然なおとなしい女性が、戦国時代に送られて成長するストーリー。

欲を言えば現世でのエピソードが浅いので、戦国時代で体験したことと、現世での彼女の思いが交錯したりすれば、もっと深くなったのになあと思ったりしましたが、わかりやすいし、お気楽に見られる女性向けの歴史エンタティメント映画です。

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執筆=斎藤 香(c)Pouch

『本能寺ホテル』
(2017年1月14日より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー)
監督:鈴木雅之
出演:綾瀬はるか、堤真一、濱田岳、平山浩行、田口浩正、高嶋政宏、近藤正臣、風間杜夫ほか
(C) 2017 フジテレビジョン 東宝 ホリプロ

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