【こんまり】なぜ近藤麻理恵さんのお片付け番組はアメリカでウケる? ヒットの秘密を考えてみました
2019年1月1日からNetflixで配信がスタートした、“こんまり”こと片付けコンサルタント・近藤麻理恵さんのリアリティ番組『KONMARI ~人生がときめく片付けの魔法~』。
“こんまり”流のお片付け術がアメリカでもちょっとした社会現象になっていると、日本のメディアでも伝えられ話題になっています。
どんな番組なのか気になっている方も多いかと思いますので、今回は番組紹介とともに人気のヒミツについて考えてみたいと思います。
【どんな番組?】
番組は近藤さんががクライアントの家を訪問し、独自の”こんまりメソッド”を伝授し、ときめく空間作りをお手伝いするというもの。
たとえば最初のエピソードに登場するのは2人の小さな子どもがいるフレンド夫妻の家。最初は「楽しい家族だ」と仲良くインタビューに答えていますが、よくよく聞いてみると互いに不満がある様子です。
まず、この夫婦を1話目に持ってきたのはかなり良い選択だと思いました。なぜなら、ネットフリックスは190か国以上で配信されているそうですが(2017年12月時点)、「夫婦共働き&小さな子どもがいて家が片付かない」というのはどこの国でも共通するお悩みのはず。とても共感度が高いテーマなわけです。
出演していた旦那さんが「ケンカの原因は主にお金と掃除」と神妙な顔で話していたのには、遠く日本に住む私も「それな……!」と思わずにはいられませんでした。
【日本人ならではの斬新な片付け方】
さて、そんな悩めるフレンド夫妻をこんまりさんはどうやって解決に導くのか。ここからは毎回同じですが、彼女のメソッドとして
1. 洋服
2. 本
3. 書類
4. 小物
5.思い出のあるもの
という決まったカテゴリで片付けをしていきます。というわけで1話目でも最初は「服」の片付けから。番組ではこんまりさんがTシャツやジーンズなどの服の畳み方をレクチャーする場面が出てくるんですが、コンパクトに折り畳んで立たせるという方法はフレンド夫妻には目からウロコだった様子。
アメリカは家が広くクローゼットが主流のため、引き出し式のチェストもあるにせよ、日本のように「服を折り畳んで収納する」という文化があまり根付いていないのではないかと感じました。ほかにも、「引き出しの中は小さな箱を使って仕切って収納する」などもこまめな日本人ならではの感性。
「自分たちの中になかった斬新な方法で収納する」というのは、やはりアメリカ人にとっては「アメイジング!」となり、番組を面白く感じる要素になりうるのではないでしょうか。
【「禅」を感じるような日本的な演出】
そして、番組を観ていて目についたのが「アメリカ人が考える日本人的しぐさ」が多いところ。たとえばありがとうと感謝の気持ちを示すときに、顔の前で両手を合わせて一礼するとか。日本人がふだんの生活でこうすることってまずないですよね。
ほかにも毎回出てくるのが、片付けの前に「おうちにあいさつしたい」ということで、家の中でよさそうな場所を探し、その場に正座をして目を閉じる。しばらくしたらゆっくりと目を開け、両手で床をそっとはらうようなしぐさをして深く一礼します。
また、物を処分するときは「ありがとう」と感謝をしてから捨てるとか、服をたたむのは服と会話する大切な時間だとか、そうした精神論的な部分は海外の人には新鮮に映るかも。
最終的にフレンド夫妻は実践的な片付け方を学び、そこから心の平穏や家族への愛情を取り戻すのですが、「片付けによる癒し」というのはスピリチュアル的な要素もあります。日本の「禅」に通じるようなものも感じられ、それも人気が出た理由といえるかもしれません。
【日本とアメリカの家の違いも感じられます】
ほかにも番組を観ていると「家が広いと広いでモノが増えるだけなんだなぁ」とか「ガレージって何なんだ……」とか「この部屋で狭いって言ってたら日本来たら衝撃受けるだろうなぁ」とかいろいろと思ったりして、日本の視聴者としては日本とアメリカの違いが垣間見られるのも面白いところです。
『KONMARI ~人生がときめく片付けの魔法~』は現在、シーズン1のエピソード8まで公開中。Netflixは番組見放題の1か月無料体験もできますので、興味を持った方はぜひチェックしてみてください!
参照元:Netflix、Instagram @mariekondo
執筆=鷺ノ宮やよい (c)Pouch